日本大百科全書(ニッポニカ) 「パルメ」の意味・わかりやすい解説
パルメ
ぱるめ
Olof Palme
(1927―1986)
スウェーデンの政治家。ストックホルム生まれ。ストックホルム大学、アメリカのオハイオ州立大学で法学を専攻。1949年社会民主労働者党に入党。学生運動の指導的役割を果たす。1954年首相エルランデルの個人秘書を務め、1957年から国会議員。1963~1965年顧問大臣。1965~1967年運輸相、1967~1969年教育相を経て、1969年エルランデルの後任として党議長および首相に就任。1968年教育相時代にはベトナム反戦デモに参加し、物議をかもした。1976年総選挙で核エネルギー開発反対を掲げる中央党を中心とする保守連合に敗退。1981年結成された国連の「軍縮と安全保障問題に関する独立委員会」(パルメ委員会)の委員長となる。同年(昭和56)末来日して広島を訪れた。1982年総選挙でふたたび政権に復帰。在任中の1986年2月28日深夜ストックホルムの路上で凶弾に倒れた。米ソに距離をおく中立主義の路線を堅持し、一貫して核軍縮と国際平和を訴えた。
[大島美穂]