中立主義(読み)チュウリツシュギ(その他表記)neutralism

翻訳|neutralism

デジタル大辞泉 「中立主義」の意味・読み・例文・類語

ちゅうりつ‐しゅぎ【中立主義】

戦時平時を問わず、国際関係の上で中立を維持することを基本とする外交上の立場

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精選版 日本国語大辞典 「中立主義」の意味・読み・例文・類語

ちゅうりつ‐しゅぎ【中立主義】

  1. 〘 名詞 〙 戦時・平時を問わず、中立的政策をとりつづけようとする外交上の立場。
    1. [初出の実例]「縦令中立主義を奉ぜざる他政党と雖も」(出典:政党評判記(1890)〈利光鶴松〉四)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中立主義」の意味・わかりやすい解説

中立主義
ちゅうりつしゅぎ
neutralism

戦時,平時を通じて,対立者のいずれの側にも加盟しない政策を維持することを原則とする外交上の立場。第2次世界大戦後,自由主義陣営と共産主義陣営の冷戦のなかで,いずれの軍事同盟にも属さず,第3の立場を取ったユーゴスラビアインドインドネシアエジプトなどの諸国外交政策上の原則は非同盟主義と呼ばれ,広い意味での中立主義に含めて解釈される。冷戦時代この立場をとった国々が結集してつくり上げたのが非同盟運動で,先鋭な米ソ間の対決構造のなかで破局にいたるのを食止める役割をしばしば果したことから,この運動をになった国々の外交を積極的中立主義の外交と呼ぶこともある。したがって,この立場は法的・政治的に永世中立地位を保証されているスイスオーストリアニュアンスを異にしており,また政策的宣言として中立主義外交の伝統を保持してきたスウェーデンや対ソ関係への配慮から外交政策の基本に組入れざるをえなかったフィンランドの中立主義とも性格を異にしている。なお国際法上,戦争当事国に対して戦争に参加しない国が取る立場を「局外中立」というが,ある国が状況に応じて現実政策として一時的に,あるいは短期間この立場を取る場合には中立主義とはいわない。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「中立主義」の解説

中立主義(ちゅうりつしゅぎ)

紛争に際して中立を守るという外交上の立場を意味するから,永世中立国スイスの外交上の立場も,20世紀のスウェーデンの外交政策も,また中立法を制定して戦争が起こった場合に中立を確保しようとした1930年代半ばのアメリカの外交姿勢も中立主義ということができる。しかし第二次世界大戦後,この言葉は,主として冷戦時代に米ソから距離を置いて自国の主体性を積極的に主張した国々の立場をさして用いられた。その立場を最初に表明して新興国の存在感を示したのはインドのネルー首相である。この立場は中立と非同盟とを結びつけて主張し,やがて自らの立場を非同盟運動と定義するようになった。

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百科事典マイペディア 「中立主義」の意味・わかりやすい解説

中立主義【ちゅうりつしゅぎ】

国際紛争において中立的立場を守ることを原則とする国家の政策または主義。スイスやスウェーデンのように一切の武力紛争に永久に加担しない永世中立主義と,第2次大戦後のインドのように国際的な軍事同盟に加わらないという外交政策としての中立主義とがある。

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世界大百科事典(旧版)内の中立主義の言及

【永世中立】より

…永久中立ともいう。永世中立に類似した概念として,中立および中立主義または非同盟主義がある。国際法上中立とは,他の国家間の戦争状態を前提として交戦国との関係においてのみ成立する法的地位であるのに対し,中立主義は,国際間で多少とも持続的に中立的外交政策をとる立場一般を指し,中立政策とほぼ同義である。…

※「中立主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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