ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒッグス機構」の意味・わかりやすい解説
ヒッグス機構
ヒッグスきこう
Higgs mechanism
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…その結果,例えば弱い相互作用は空間の反転や時間の反転に関して対称でないこと,電磁相互作用と同じようなユニバーサリティがあることなどが判明した。この事実は弱い相互作用がある意味で電磁相互作用と似たものであることを示唆してはいたが,対称性の自発的破れに関する理解が深まり,ベクトル粒子に関するいわゆるヒッグス機構(自発的対称性の破れを引き起こす機構)の存在が明らかになって,初めて電磁力と弱い力の統一理論ができた。
[強い相互作用]
ハドロンどうしの反応を引き起こす相互作用。…
…三つの結合定数(相互作用の強さを表すパラメーター)を二つにまでしか減らしていない点で不完全な統一理論といえるが,弱い相互作用もやはりゲージ理論であり,しかもくりこみ可能であることを示したのがこの理論の非常に重要な特質である。この理論を可能にした重要なものとしてヒッグス機構Higgs mechanismとGIM機構(GIMはGlashow,Iliopoulos,Maianiの頭文字をとったもの)がある。前者はゲージ粒子が質量をもちうる機構を明らかにしたもので,後者のGIM機構はフレーバーをかえるような中性カレントの出現を妨げ,またクォークとレプトンの協力関係がくりこみ可能性をこわすような不定項の出現を防いでいる。…
※「ヒッグス機構」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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