ひとりごと

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ひとりごと
ひとりごと
monologue

話し相手なしにしゃべる言語活動。相手がいるにもかかわらず、自分の考えを伝えようとする意図をもたず、また相手から答えを得るのを期待しない話しことばは、とくに「集団的ひとりごと」とよばれる。これらは幼児に多くみられるが、いずれも自分に向けられたことばであるため、ピアジェは、自己中心語の一つとみなし、幼児特有の自己中心的思考の発現として説明している。
 確かにこのように言語を伝達機能の面からみるときには、ひとりごとは非社会的な無用なことばであるかもしれない。しかし言語を思考の道具としてみるなら、きわめて重要な意味をもつこととなる。というのも、困難な場面のなかでは、ひとりごとによって自分の行動を分析したり方向づけたりすることができるからである。そこでビゴツキーL. Vigotsky(1896―1934)は、幼児の言語が、伝達機能をもつ「外言」から、思考の働きそのものである「内言」へと発達していく過渡期に出現する現象として、ひとりごとをとらえている。[滝沢武久]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のひとりごとの言及

【独語】より

…ひとりごと。現実に語りかける対象がないのに一人でしゃべっている行為。…

※「ひとりごと」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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