ビリジアン(読み)びりじあん(その他表記)viridian

翻訳|viridian

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビリジアン」の意味・わかりやすい解説

ビリジアン
びりじあん
viridian

1859年フランスのギネーGuignetによりつくられた緑色顔料。ギネーグリンともいう。重クロム酸カリウムK2Cr2O7あるいは重クロム酸アンモニウム(NH4)2Cr2O7に、ホウ酸H3BO3を重量比で4倍以上配合し、600~750℃で焼成、溶融物を熱湯で洗浄後、乾燥して得られる。組成はまだ確定されていないが、クロムの価数は三価で、H2OかOHのいずれかの形で水が含まれている。加熱すると約300℃以上で、脱水により黒みを帯びるようになり、酸化クロム(Ⅲ)を生成する。油絵の具、水彩絵の具には欠かせない顔料の一つで、ほかにペイント、エナメル、ラッカー、プラスチックの着色剤としても用いられる。

大塚 淳]


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色名がわかる辞典 「ビリジアン」の解説

ビリジアン【viridian】

色名の一つ。ビリジャン、ヴィリディアンとも表記する。JISの色彩規格では「くすんだみの」としている。一般に、水酸化クロムを主原料とする顔料のような、やや青みがかった緑をさす。この顔料は1859年にフランスで発見され、主に絵の具や塗料などに用いられている。ビリジアンはラテン語で緑の成長を意味する。

出典 講談社色名がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のビリジアンの言及

【水酸化クロム】より

…熱すると脱水して酸化クロム(III)Cr2O3となる。緑色顔料として知られるビリジアンviridianはCr2O3・2H2Oであるとされる。【中原 勝儼】。…

※「ビリジアン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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