改訂新版 世界大百科事典 「ビリュイスク」の意味・わかりやすい解説
ビリュイスク
Vilyuisk
ロシア連邦東部,サハ(ヤクート)共和国にあり,レナ川の支流ビリュイ川に臨む河港都市。人口9100(1992)。畜産を中心とする食品工業が主産業。建設資材の生産も行われる。最近,付近で膨大な埋蔵量の天然ガスが発見された。付近の森林には野生動物が,またビリュイ川には魚類が豊富である。ビリュイ川流域はヤクート人の居住区で,ビリュイスクはその中心都市である。1634年にコサックの冬営地として建設され,帝政ロシア時代はヤクーツク地区流刑所の一つで,チェルヌイシェフスキーが服役していたことで有名。上流に発電所をつくるに当たり,彼の名前をとった町ができた。1918年7月に非武装のソビエト権力が樹立されたが,20年から21年まで反革命の拠点であった。国立博物館と民族博物館があり,1918年から23年までの反革命権力との間のさまざまな事件の記念物が保存されている。
執筆者:山本 敏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報