日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェイホー」の意味・わかりやすい解説
フェイホー
ふぇいほー
Benito Jerónimo Feijóo
(1676―1764)
スペインのベネディクト会士。19歳のとき入会し、その後神学の研究にいそしんだ。1710年に現在の博士号に該当する学位を取得したのち、オビエド大学へ迎えられ、神学担当の教授となった。王室会議のメンバーにも選出された(1748)。『諸学批判』Tema crítico universal(1727)のほか数多くの著作を通して、理性と深い洞察力による信仰を説き、安直な態度に終始した従来の信仰のあり方に批判を加えた。また、ルネサンスや宗教改革に背を向け、没落傾向を示したスペインを刷新する道として、啓蒙(けいもう)主義の導入を唱え、近代ヨーロッパの流れのなかにスペインを組み入れることを意図した。
[鈴木昭一]