改訂新版 世界大百科事典 「フクロシマリス」の意味・わかりやすい解説
フクロシマリス (袋縞栗鼠)
striped possum
Dactylopsila trivirgata
白色またはクリーム色の地に,3本のよく目だつ黒色の縦縞模様をもつ,リスに似た有袋目フクロモモンガ科の哺乳類。3本の縦縞のうち1本は,背の中央を通って尾の上面に至る。その両側を吻(ふん)から目を通り体側を進んで,後肢の後部を下降し,くるぶしに達する黒線が走る。腹部によく発達した育児囊がある。体長23.5~30cm,尾長32~35cm。ニューギニアとオーストラリアに分布。多雨林の樹上で生活し,夜行性のためもあって人目につくことは少ない。日中は木の洞で眠って過ごし,夜間枝から枝へ敏しょうに動きまわって,おもに昆虫を捕食するが,木の実も食べる。樹木に食い込んでいる昆虫を見つけると,門歯で樹皮を食いやぶって取り出すか,長い第4指を使って引き出す。繁殖習性については知られていない。
→有袋類
執筆者:今泉 吉晴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報