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有袋類 ゆうたいるいMarsupialia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

有袋類
ゆうたいるい
Marsupialia

哺乳綱有袋目に属する動物の総称。約 80属 240種から成る。新生児は未熟状態で生れ,生後一定の期間,母親の育児嚢中で育てられる。一般に大脳はあまり発達せず,その表面には皺がない。他の哺乳類 (有胎盤類) と驚くほどの形態・生態的な類似性のあるものがある。たとえば,イヌに似たフクロオオカミ,モグラに似たフクロモグラなどがあり,いわゆる平行進化適応放散の好例とされる。オーストラリアニューギニア,中央・南アメリカおよびその周辺に分布する。

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デジタル大辞泉の解説

ゆうたい‐るい〔イウタイ‐〕【有袋類】

有袋目の哺乳類の総称。多くは胎盤がなく、子は発育不完全な状態で生まれ、自力で母親の下腹部にある育児嚢(いくじのう)に入り、乳を飲んで育つ。カンガルーフクロネココアラオポッサムなど約270種が知られ、形態・習性は多様に分化している。オーストラリア区新熱帯区に分布し、オポッサムは北米にも生息する。

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百科事典マイペディアの解説

有袋類【ゆうたいるい】

二子宮類とも。鉤爪(かぎづめ)を有する胎生哺乳(ほにゅう)類で,胎盤が不完全なため子は発育不全の状態で生まれ,ふつう雌の下腹部にある育児嚢の中で育てられる。乳腺には乳頭がある。
→関連項目育児嚢

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうたいるい【有袋類 marsupial】

発生の途中に未熟な状態で生まれた子が雌親の乳頭に吸いついて発生を続ける哺乳類の1群で,ふつう育児囊があるためこの名がある。獣亜綱後獣下綱有袋目Marsupialiaに属し,二子宮類ともいう。オーストラリア,タスマニア,ニューギニア(少数はソロモン諸島ビスマーク諸島モルッカ諸島),南アメリカ(1種は北アメリカまで)に分布し,現生のものは16科(8科とすることもある)約271種がある。 形態は真獣類(一子宮類)に似て,頸椎(けいつい)に肋骨がなく,遊離した鎖骨をもち,肩甲骨には棘突起(きよくとつき)がある。

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大辞林 第三版の解説

ゆうたいるい【有袋類】

有袋目の哺乳類の総称。子は発育不全の状態で生まれ、普通、雌の下腹部にある育児囊のうの中で育てられる。膣ちつも子宮も左右に二個ある。オーストラリア区および南北アメリカに約250種が分布し、形態・習性は変化に富む。オポッサム科・フクロネコ科・クスクス科・カンガルー科など八科に分けられる。二子宮類。無胎盤類。後獣類。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

有袋類
ゆうたいるい
marsupials

哺乳(ほにゅう)綱有袋目に属する動物の総称。この目Marsupialiaの仲間は、獣亜綱後獣下綱の代表者で、機能的な胎盤ができないため胎児は目や耳が完成しないうちに生まれ、母親の下腹部にある育児嚢(のう)に入って乳頭に吸い付き、乳を飲んで発生を続ける。腟(ちつ)と子宮が2個あるため二子宮類ともいう。真獣亜綱(有袋類、単孔類以外の現生哺乳類全部を含む)のものと違って大脳半球を結ぶ神経路の脳梁(のうりょう)がなく、前臼歯(きゅうし)が三対、臼歯が四対あり、第一・第二前臼歯には永久歯がない(真獣類では前臼歯が四対、臼歯が三対)。また骨盤に上恥骨(袋骨)を備え、網膜に有色の脂肪小球があるのは原獣亜綱の単孔類に等しい。
 中生代白亜紀に北アメリカに現れたが、新生代初めに南アメリカに移住したものが栄え、北アメリカやヨーロッパに残ったものは第三紀中新世に絶滅した。南アメリカからは一部のものが南極大陸(近年化石が発見された)を通ってオーストラリアへ移住し、両大陸で適応放散した。南アメリカでは鮮新世に剣歯虎(けんしとら)そっくりのチラコスミルス、オーストラリアでは更新世(洪積世)にサイ大のディプロトドン、ライオン大のチラコレオなどが現れている。現生のものはほとんどが中央・南アメリカおよびオーストラリア地方に分布し、18科約270種。下の門歯が3~4対ある多門歯亜目と、それが一対しかない双門歯亜目に大別される。多門歯亜目には南アメリカにオポッサム科、トガリネズミに似たミクロビオテリウム科(コロコロ)とケノレステス科、オーストラリア地方にフクロネコ科(フクロネコ、タスマニアデビル)、フクロオオカミ科、フクロアリクイ科、フクロモグラ科、バンディクート科、ミミナガバンディクート科があり、オーストラリア地方固有の双門歯亜目にはクスクス科(フクロギツネ、セレベスまで分布するクスクス、コアラ)、ブーラミス科、リングテイル科、フクロモモンガ科、カンガルー科、ネズミカンガルー科、ウォンバット科、フクロミツスイ科がある。[今泉吉典]

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世界大百科事典内の有袋類の言及

【育児囊】より

…オーストラリアを象徴するカンガルーやコアラは分類学的には有袋類と称されるグループに含められるが,有袋類とは育児囊をもつ動物という意味である。われわれヒトをも含めた真獣類(有胎盤類)では,受精卵はある程度発生を進めた胚盤胞の段階で母親の子宮に着床する。…

【オーストラリア】より

…1科1属1種の食虫植物フクロユキノシタはオーストラリア南西端の湿地だけに野生する珍しい植物である。
[動物]
 オーストラリアを代表する動物の筆頭は,世界唯一の,卵を生む哺乳類の単孔類(カモノハシとハリモグラ)および育児囊をもつ有袋類である。すでに述べたように,この大陸は早くに隔離されたために,有袋類は新興の真獣類(有胎盤類)との激しい競争を経験することなく生き長らえられたものの子孫である。…

【カンガルー】より

… オーストラリア,タスマニア,ニューギニアに分布し,砂漠に生息する種から森林の樹上にすむ種(キノボリカンガルー類)まで約55種がある。最小の種は,体長24~34cmのニオイネズミカンガルー,最大の種は,有袋類中最大で体長160cmを超えるアカカンガルー,オオカンガルーである。 いずれの種も,発達した後肢でジャンプしながら移動し,木や草の葉などの植物質を主食とする。…

【コアラ】より

…オーストラリア固有の樹上生有袋類。ユーカリ類の一部の木の葉しか食べない特異な食性をもつことで知られている。…

※「有袋類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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