フサシダ(読み)ふさしだ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フサシダ」の意味・わかりやすい解説

フサシダ
ふさしだ / 総羊歯
[学] Schizaea digitata (L.) Sw.

フサシダ科の常緑性シダ。短くはう根茎から細い紐(ひも)状の葉を束生し、その先端に総状に裂けた胞子嚢穂(のうすい)をつける。葉質はやや堅く光沢がある。かなり乾いた林床にも生育し、東南アジア、インド、ニューギニア、マダガスカルなど熱帯を中心に広く分布するが、日本では小笠原(おがさわら)諸島にのみ生じる。近縁種カンザシワラビS. biroiは沖永良部(おきのえらぶ)島以南に分布し、葉が上部で細かく分岐するため胞子嚢穂の集まりがかんざし状になる。

[栗田子郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フサシダ」の意味・わかりやすい解説

フサシダ
Schizaea digitata

フサシダ科の常緑性シダ植物。日本では小笠原諸島に産する。葉は長さ 30~40cmで葉身単葉線形で葉の先端に胞子嚢群房状につける。胞子は四面体型。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のフサシダの言及

【カニクサ】より

…ツルシノブともいう(イラスト)。暖地に普通のつる性の夏緑性草本で,フサシダ科に属するが,カニクサ科を独立させる考えもある。根茎は地中を短くはい,毛があって鱗片はない。…

※「フサシダ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

グレーゾーン解消制度

個々の企業が新事業を始める場合に、なんらかの規制に該当するかどうかを事前に確認できる制度。2014年(平成26)施行の産業競争力強化法に基づき導入された。企業ごとに事業所管省庁へ申請し、関係省庁と調整...

グレーゾーン解消制度の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android