日本大百科全書(ニッポニカ) 「フランシス水車」の意味・わかりやすい解説
フランシス水車
ふらんしすすいしゃ
40~500メートルの中落差で、水量の多い場合に用いられる水車。現在、水力発電用に使用されている水車の大部分はこの型式である。1851年、アメリカの技術者J・フランシスにより考案された。ダムから水圧管によって導かれた水は、渦巻ケーシング、案内羽根を通り、羽根車の全外周から中心に向かって流入し、羽根車の羽根と羽根の間を通過する際に速さと方向を変えながら羽根車に動力を与え、羽根車を回転させる。羽根車を出た水は中心部に集まり、吸出し管を経て放水路に導かれる。案内羽根にはすべての羽根の取付け角を一斉に変える機構がついており、水車の負荷変動に応じて取付け角を変化させ、水量を調節し、回転速度を一定に保つようになっている。
[池尾 茂]