グリーンピース(読み)ぐりーんぴーす(英語表記)Greenpeace

翻訳|Greenpeace

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グリーンピース」の意味・わかりやすい解説

グリーンピース(環境NGO)
ぐりーんぴーす
Greenpeace

環境NGO(非政府組織)の一つ。1971年に設立され、活発な活動を展開する代表的な国際環境保護団体。本部のグリーンピース・インターナショナルはオランダアムステルダムにある。日本を含む世界30か国に置かれた支部とあわせ、約1000人の有給専従スタッフがいる。会員は世界中で約300万人を数え、会員による会費や寄付で運営されており、97年の全体の収入は1億2600万米ドルにのぼる。

 1971年、アメリカがアラスカ沖にあるアムチトカ島で核実験を計画した際、12人のカナダ人が船を出し抗議したのが創設のきっかけであった。この活動は成功し、計画は中止された。その後、島は野鳥サンクチュアリ聖域)にされた。翌72年と73年に南太平洋のムルロア環礁でフランスが核実験を行ったときにも、実験海域に船で入り込み、大きな反響をよんだ。

 その後、活動領域を、海洋汚染、海洋生態系保護、成層圏オゾン層の破壊(オゾンホール)、地球温暖化などさまざまな環境問題に広げているが、帆船「虹(にじ)の戦士号」など船を使った海上での抗議活動が大きな特徴。こうした派手なパフォーマンスは「非暴力直接行動」とよばれる。1993年には、ロシア海軍が放射性廃棄物日本海に投棄する現場をとらえ、一大キャンペーンの末、中止に追い込むなどの成果をあげた。日本では1989年に「グリーンピース・ジャパン」が設立され、さまざまな地球環境保護活動を続けている。

[横田弘幸]

『ザ・サンデータイムズ インサイト・チーム著、淵脇耕一訳『虹の戦士号爆破事件――フランス情報機関の陰謀』(1989・社会思想社)』『マイケル・デラウン、メイ・ジョン著、中野治子訳『グリーンピース・ストーリー』(1995・山と渓谷社)』


グリーンピース(エンドウ)
ぐりーんぴーす
green peas

むき実用エンドウのこと。エンドウは、若莢(さや)のまま用いるサヤエンドウ、むき実用のグリーンピース、完熟させて乾燥し穀物とするものなどに品種が分化している。グリーンピースは未熟種子(豆)をそのまま調理するのがいちばん美味であるが、料理の用途も広いので、冷凍や缶詰にして保存する。大粒で種皮が柔らかく、濃緑色で糖含量の高い碓井(うすい)、GW、アラスカ、ベスト・オブ・オールなどの品種がよく用いられる。生(なま)のグリンピース100グラム中には、糖質12グラム、タンパク質7.4グラム、ビタミンC24ミリグラムを含む。

[星川清親]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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