ブスラ

百科事典マイペディア 「ブスラ」の意味・わかりやすい解説

ブスラ

シリアの首都ダマスカスの南約150kmにある町。2世紀ごろシリアを支配していたローマ帝国トラヤヌス帝が建造した劇場の遺構がある。舞台後部にコリント式円柱が並び,約1万5000人を収容できる大円形劇場。古来,町は交易の拠点として,7世紀以降はメッカ巡礼のルートの拠点として栄えたが,11−13世紀には十字軍の攻撃に備え,劇場も周囲に砦や厚さが3−5mもある防壁,堀などが築かれて要塞となった。13世紀にはモンゴル軍の襲撃を受け,16世紀以降は巡礼路が変わり,町は廃墟と化した。旧市街は1980年,世界文化遺産に登録。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android