函谷関(読み)かんこくかん

日本大百科全書(ニッポニカ)「函谷関」の解説

函谷関
かんこくかん

中国、河南(かなん/ホーナン)省西部、黄河(こうが/ホワンホー)の南岸に位置する交通、軍事上の要地。初め戦国時代に(しん)が霊宝(れいほう)県の南方にを設けたが、前武帝により、東に150キロメートルほど離れた新安県の東方に移された(前114)。秦王政(始皇帝)が、楚(そ)、趙(ちょう)、魏(ぎ)、韓(かん)、衛の5か国の兵士からなる大軍を退けたのは、霊宝県の古関であり、6世紀、長安に都した北周が、東方の鄴(ぎょう)に都した北(ほくせい)に対峙(たいじ)するために前線基地を設けたのは、新安県の新関である。なお古来中国では、華北関東関西関中)という二つの地域に区分することがあるが、その際の関とは、この函谷関のことであり、また名称は、山間の谷沿いに陽光がほとんど差し込まない狭い道が続いていて、まるで函(はこ)の中を行くようだったことに由来するという。

[關尾史郎]

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百科事典マイペディア「函谷関」の解説

函谷関【かんこくかん】

中国,河南省北西部の交通要地。今は隴海(ろうかい)鉄路(蘭州〜連雲港)と幹線道路に沿うが,昔はけわしい黄土層中の道が,あたかも函中を行くに似るためこの名を生じた。中原関中との関門をなすため,秦が東方のとしておいたもので,のち漢は,前114年関を東方150kmに移した。南北朝ごろまではここを華北を関東と関西に分ける習慣が行われ,また山東・山西という場合にもここを境とすることがあった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「函谷関」の解説

函谷関
かんこくかん
Han-gu-guan; Han-ku-kuan

中国,河南省北西部にある関門。戦国時代に秦が東方の防衛のため設けたもので,この地は要害堅固として名高い。前漢の武帝のとき,東方約 150kmのところに新関を造ったので前者故関という。鶏鳴とともに開門し,日没に閉門する規則であったという。この関を境に華北は関東と関西に分けられた。斉の孟嘗君 (もうしょうくん) が秦から脱出したときの鶏鳴狗盗 (けいめいくとう) の故事で有名。

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世界の観光地名がわかる事典「函谷関」の解説

かんこくかん【函谷関】

中国の山西省と河南省の境界にある、三門峡サンメンシア)の北15kmの峡谷。「天下第一関」や「秦函谷関」とも呼ばれ、春秋戦国時代に創建された中国で最も古い関所で、望気台や太初台、鶏鳴台などが残されている。◇『史記』中の故事にある「鶏鳴狗盗」(士人らしからぬ、いやしい才能のあるもの)では、函谷関での孟嘗君の活躍が記されている。

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精選版 日本国語大辞典「函谷関」の解説

かんこく‐かん ‥クヮン【函谷関】

中国の華北平原から渭水盆地に入る要衝にある関。黄土層の絶壁に囲まれた谷に築かれ、昼なお暗く函(はこ)の中を進むようであったことから名づけられた。秦が東方の守りとして河南省北西部、現在の霊宝県の地に築いた古関と、前漢が河南省新安県の地に築いた新関(現在の函谷関)とがある。函谷。函関。

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旺文社世界史事典 三訂版「函谷関」の解説

函谷関
かんこくかん

中国河南省西部,長安を中心とする関中と洛陽を中心とする中原 (ちゆうげん) とを結ぶ,黄河沿岸の交通の要衝
関は秦代に初めて置かれ,孟嘗君 (もうしようくん) の故事で名高い。古代中国ではこの関を境に,中国北部を関東と関西に分けた。

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デジタル大辞泉「函谷関」の解説

かんこく‐かん〔‐クワン〕【函谷関】

中国河南省北西部、黄河南岸の山中にある交通の要地。関所が設けられ、秦代には霊宝付近にあったものが、漢代に移された。長安洛陽とを結ぶ道に位置し、多くの攻防戦の舞台となった。ハンクーコワン

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世界大百科事典 第2版「函谷関」の解説

かんこくかん【函谷関 Hán gǔ guān】

中国,河南省の北西部にある交通の要地。古関と新関の二つの関所がおかれた。古関は霊宝県の南西2kmのところに位置する。東西およそ8kmにわたって黄土層の深い谷がつづき,両岸は切り立ち,樹木は陽光をさえぎって昼なお暗く,ちょうど函(はこ)の中を進むのに似ているところから,この名がつけられた。長安(現,西安市)を中心とする関中と,洛陽を中心とする中原を結ぶ交通の要地に当たっており,秦の国では古くからここに関所をもうけて東方の守りとしていた。

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