ブタインフルエンザ(その他表記)swine flu

翻訳|swine flu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブタインフルエンザ」の意味・わかりやすい解説

ブタインフルエンザ
swine flu

インフルエンザウイルスを原因とするブタの呼吸器疾患。1930年,ブタから初めて A型H1N1亜型インフルエンザウイルスが分離された。以降,さらに H1N2,H3N1,H3N2という 3種の亜型が分離された。H3N2型が出現したのは 1990年代後半であり,ヒトからブタへの伝播が疑われる。ヒトの間で感染するインフルエンザと似ているが,抗原が異なる。ブタの 25~30%が抗体をもつ。罹患したブタには咳,発熱鼻汁などの症状が現れ,一般に 1週間ほど持続する。ウイルスはブタの間で急速に伝染し,感染ブタや汚染された餌あるいは敷料に触れたり,ウイルス飛沫を吸い込んだりすると,トリやヒトに容易に伝染する。ヒトに感染すると,発熱や軽度の呼吸器症状が現れる場合がある。下痢悪寒嘔吐を伴うこともあるが,死亡することはほとんどない。ヒトにおける発生として記録が残っているのは,1976年アメリカ合衆国ニュージャージー州フォート・ディックス陸軍基地での集団発生である。一部の新兵に重度の呼吸器疾患が認められ,1人が死亡した。ブタインフルエンザ用治療薬はないため,感染ブタには対症療法を行なう。乾燥した清潔な環境を用意し,感染ブタを健康なブタから隔離することが,疾病管理において重要である。多く症例では,細菌感染を防ぐため抗生物質を投与する。ワクチン接種によって予防でき,消毒手洗いなどの衛生対策を通じても伝染を抑えられる。

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