伝染(読み)デンセン

デジタル大辞泉 「伝染」の意味・読み・例文・類語

でん‐せん【伝染】

[名](スル)
病原体が他の生物体に入り、増殖して病気になること。感染。「はしか伝染する」
物事状態・傾向などが他に移って同じような状態が起こること。「あくび伝染する」
[類語](1感染/(2波及伝播広がる広まる行き渡る流布るふ伝播でんぱ浸透弥漫びまん蔓延まんえん伸展発展

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精選版 日本国語大辞典 「伝染」の意味・読み・例文・類語

でん‐せん【伝染】

〘名〙
① うつりそまること。また、うつしそめること。他にうつることや他にうつすこと。
舎密開宗(1837‐47)内「羯布羅は〈略〉水には纔に其香気のみを伝染し」
安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三「支那因循が伝染(デンセン)しておほきに害になりやす」 〔図絵宝鑑‐六法三品〕
病原となる微生物が生物の体内に侵入して繁殖し、病気を起こさせること。感染。
※紅毛雑話(1787)四「かくて其臭気にうたれたる者、本国へ帰りて後、大熱を発して命をおとす。夫より此病欧羅巴洲中へ伝染す」

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普及版 字通 「伝染」の読み・字形・画数・意味

【伝染】でんせん

うつす。

字通「伝」の項目を見る

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栄養・生化学辞典 「伝染」の解説

伝染

 ある病原体が宿主組織に定着し,さらに増殖し,他の個体へと感染していくこと.

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世界大百科事典(旧版)内の伝染の言及

【感染】より

…たとえば,小児が麻疹ウイルスに初感染し,麻疹として経過しているとき,化膿菌の二次感染を起こして中耳炎や肺炎を合併することがある。
[感染と伝染]
 日本では,これまで感染と伝染との区別があいまいで,同義語として用いられることが多かった。しかし厳密には,病原微生物が生体に感染して疾病を起こし,その経過中(潜伏期,回復期,病後を含む),感染生体からの分泌物や排出物とともに病原体が出て,接触または媒介によって他の生体を感染させる場合を伝染といい,とくに伝染力の強い感染症を伝染病と呼んでいる。…

【伝染病】より

…昔から〈はやり病(やまい)〉〈疫病〉として人から恐れられてきた病気のことで,病原微生物の感染によって発病する。日本では,感染と伝染の区別があいまいで,この二つは同義語のように用いられることが多いが,感染infectionとは病原微生物が生体に侵入して増殖し,生体に害を与える場合(この病的異常状態が感染症infectious disease)をいい,伝染とは感染症の経過中,感染生体から分泌物や排出物とともに病原体が出て,それが接触または媒介によって他の生体を感染させる場合をいう。したがって伝染病は感染症に含まれるが,感染症のなかでも伝染力(伝播力)の強い感染症をさすわけである。…

※「伝染」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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