工業材料の硬さを表す尺度の一つで、押込み硬さの一種。この硬さ試験法は1900年にスウェーデンの技師ブリネルJohann August Brinell(1849―1925)によって提案されたものであり、工業界で硬さ試験が広く行われる契機となった。ブリネル硬さは、焼入れした鋼球を試料表面に一定の荷重で押し込み、圧子を取り除いたあとにできる球分のくぼみの直径から表面積を算出し、荷重をこの面積で除した商で表す。すなわち鋼球圧子と試料の接触面の平均圧力を硬さとするもので、硬い材料ほど同一荷重下でのくぼみが小さいから接触圧力は大きくなる。
[林 邦夫]
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…そのため実際にはまず硬さ試験法を定義し,その結果得られる値を硬さと定義する方法がとられている。硬さ試験法にも多くの種類があるが,代表的なものを分類すると,硬い材料ほど物を押し込むのに大きな力を必要とすることを利用した押込み硬さ試験(ブリネル硬さ試験,ビッカース硬さ試験,ロックウェル硬さ試験など),硬い材料ほど反発が大きいことを利用した反発硬さ試験(ショア硬さ試験など),硬い材料ほど引っかききずができにくいことを利用した引っかき硬さ試験(マルテンス引っかき硬さ試験など)などがあり,おもなものはJISに規定されている。いずれの試験法においても得られた硬さ値が大きい材料ほど硬いことを意味する。…
※「ブリネル硬さ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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