ブールコンポーゼ(読み)ぶーるこんぽーぜ(その他表記)beurres composés フランス語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブールコンポーゼ」の意味・わかりやすい解説

ブールコンポーゼ
ぶーるこんぽーぜ
beurres composés フランス語

バターに他の材料を混ぜあわせたもので、ソース調味着色に重要な要素となる。この種のバターはつくりたてを使うべきであるが、あらかじめつくっておくときには、冷やしてなるべく空気に触れないように紙に包んでおく。代表的な合せバターの例をあげると、次のようなものがある。(1)ブール・ア・ラ・メートル・ドテルbeurre à la maître d'hôtel バター250グラムを温めて練り、ポマード状に柔らかくして、刻みパセリ大さじ1、食塩8グラム、こしょう1グラム、レモン汁4分の1個分を加える。これはビーフステーキのソースとして使用される。(2)ブール・ベルシーbeurre bercy 白ワイン2デシリットルに細かく刻んだエシャロット大さじ1を加え、半分量になるまで煮つめて、いったん冷ましておく。これに軽く温めて柔らかくしたバター200グラム、賽(さい)の目に刻んでゆでて水けをきった骨脂500グラム、刻みパセリ大さじ1、上等の食塩8グラム、こしょう少々、レモン汁半個分を加える。網焼きの肉、魚料理に使う。(3)ブール・ブランbeurre blanc エシャロットを細切りにしたものを70グラム、白ワイン大さじ7、魚のクール・ブイヨン大さじ10、こしょう少々を鍋(なべ)に入れ、それが大さじ7杯ぐらいになるまで煮つめて、クルミ大にちぎったバター500グラムを加え、絶えずかき回して白く泡立ったところで仕上げる。串(くし)焼き料理に使う。(4)ブール・シバリーbeurre chivry パセリ、セルフィユエストラゴンワケギ、新鮮なルリハコベ、あわせて100グラムを数分間ゆで、冷めたら水けをきって鉢に入れてすりつぶす。これに細切りにしてゆでたエシャロット25グラムとバター125グラムとを加え、裏漉(うらご)しにしたもの。冷たいオードブルに用いる。(5)ブール・ダンショワbeurre d'anchois ヒシコイワシの開き身100グラムをつぶし、バター250グラムを加えて裏漉しにかけたもの。網焼きの肉、魚料理に用いる。(6)ブール・ドゥ・クルベットbeurre de crevettes シバエビ程度の小エビ150グラムをつぶし、これと同量のバターと食塩、こしょう、からし、レモン汁を加えて裏漉しにしたもの。冷たいオードブル、魚料理に用いる。(7)ブール・マニエbeurre manié ソースのつなぎを早くするために使われる。バター100グラムにつき小麦粉75グラムの割合でこね合わせたもの。粉の臭みを出さないため、このバターを加えたソースは強い火で煮立てない。

[小林文子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android