日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブールデ」の意味・わかりやすい解説
ブールデ
ぶーるで
Edouard Bourdet
(1887―1945)
フランスの劇作家。第一次世界大戦の直前、軽妙だが早くもモラリストの厳しさを秘めた『ルビコン』(1910)でデビューした。応召し復員後、2、3の習作を経て、性の転倒に照明をあてた『囚(とら)われの女』(1926)で注目され、文学作品の商品化を揶揄(やゆ)した『最新刊』(1927)に次ぐ、金と性を絡めた軽薄な社交界を痛烈に風刺した『弱き性』(1929)が代表作となる。『難しい時代』(1934)以後は筋のこんだ作風に変わる。1936年から4年間コメディ・フランセーズの支配人を委嘱され、沈滞していた同劇場の改革を断行した。
[本庄桂輔]
『本庄桂輔訳『弱き性』(『現代世界戯曲選集 第八巻』所収・1953・白水社)』