ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説
プトレマイオス2世フィラデルフォス
プトレマイオスにせいフィラデルフォス
Ptolemaios II Philadelphos
[没]前246
プトレマイオス朝 2代目の王 (在位前 285~246) 。プトレマイオス1世ソテルの子。愛妹王 (フィラデルフォス) とも呼ばれる。初め父と共同統治を行なった。即位後は主として外交政策によって小アジア,シリア,エーゲ海方面に領土を広げたほか,ローマ,エチオピア,アラビアとも関係をもった。軍人としては必ずしも成功せず,クレモニダエア戦争,第2次シリア戦争では敗北。内政面では全国土の農業,手工芸の組織化,計画経済化を行なった。また妻で妹のアルシノエ2世とともに,みずから神格化されることを要求し,初めてギリシア・ローマ世界に帝王崇拝を持込んだ。一方アレクサンドリアの文化活動はますます盛んとなり,ヘレニズム文化の全盛時代を迎え,著名な学者やカリマコス,テオクリトスらの詩人がアレクサンドリアに集った。そこでは哲学や文学ばかりでなく,自然科学も研究され,諸国から珍しい動植物がもたらされたという。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報