ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テオクリトス」の意味・わかりやすい解説
テオクリトス
Theokritos
[没]前250頃
ギリシアの詩人。牧歌の創始者。シチリアからコス島に渡ってフィレタスのサークルに加わり,そこからアレクサンドリアに移り,再びコス島または近くの島に移住したらしい。詩集『小景詩』 Eidylliaは,牧歌,ミモス,頌徳詩,賛歌,エピュリオン,抒情詩,エピグラムその他から成り,なかでも彼の名を不朽にしたのは,シチリアの田園風景のなかで歌い戯れる牧人たちを描いた牧歌 Būkolikaである。また失恋を月に訴える女の独白から成る『女魔法師』 Pharmakeutria,アドニスの祭りに行く2人の女を描いた『アドニス祭の女』 Adōniazūsaiなどのミモスも有名である。ウェルギリウスらローマの詩人たちに深甚な影響を与えた。
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