ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マクシミヌス」の意味・わかりやすい解説
マクシミヌス
Maximinus, Gaius Galerius Valerius
[没]313. タルソス
ローマ皇帝 (在位 308~313) 。蛮人との混血で元来は Daia (または Daza) といった。ガレリウス帝の甥。牧人から軍人に取立てられ,305年副帝となり,シリア,エジプトを支配。 308年ガレリウスがリキニウスを正帝とすると,みずからも正帝位を宣し,ガレリウスの死後小アジアをも支配。この間激しくキリスト教を迫害し,教徒を鉱山に送り,都市に反キリスト教嘆願書を出させ,ローマ宗教制度の組織を再建するなど積極的な宗教政策を行なった。 313年リキニウスの支配するトラキアに侵入して敗れ,リキニウスが東方の正帝となった。キリスト教迫害停止の寛容令を発したあと,タルソス (小アジア南岸) で死んだ。
マクシミヌス
Maximinus, Gaius Julius Verus
[没]238.5.10. アキレイア
ローマ皇帝 (在位 235~238) 。トラキア人の羊飼い出身。皇帝アレクサンデル・セウェルスに見出され,ライン軍団の幹部となり,235年アレクサンデルが殺されたとき,ライン軍団に推されて即位。ドナウ,ライン地方に転戦。道路再建に努めた。大土地所有者からきびしく徴税したため,元老院の反感を買い,その画策によってアフリカ,イタリアで反乱を起され,アルプスを越えて鎮圧におもむいた際,部下の兵士に殺された。彼をもっていわゆる軍人皇帝時代が始る。
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