プロバン(読み)ぷろばん(英語表記)Provins

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プロバン」の意味・わかりやすい解説

プロバン
Provins

フランス北部,パリの東南東約 80km,セーヌエマルヌ県南東部の町。 12世紀にはシャンパーニュ伯の居地,13世紀にはシャンパーニュ地方の重要な毛織物の町として全ヨーロッパに知られたが,14世紀の王領統合に伴い衰退カエサルの塔 (12~13世紀) ,城壁 (12~14世紀) などのほか,中世面影を残す家並み聖堂が多い。十字軍東方からもたらした赤いバラを栽培したことから,「バラの町」として有名。イギリスのバラ戦争の一方の当事者であるランカスター家の赤いバラは,初代ランカスター伯エドマンドがここの領主であったとき,家の印として定めたもの。 2001年世界遺産の文化遺産に登録。人口1万 2171 (1990) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プロバン」の意味・わかりやすい解説

プロバン
ぷろばん
Provins

フランス中北部、セーヌ・エ・マルヌ県の副県都。人口1万1667(1999)。中世にはシャンパーニュ伯爵の居住地で、重要な市場都市であった。丘陵上の市街地は城壁で囲まれ、セザールの塔(カエサルの塔。12~13世紀)がそびえる。グランジュ・オ・ディーム(12世紀の徴税倉庫)は現在考古学博物館。低地の市街地は商業地区。この都市は2001年に「中世市場都市プロバン」として世界遺産の文化遺産に登録されている(世界文化遺産)。

[大嶽幸彦]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例