日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベアルン」の意味・わかりやすい解説
ベアルン
べあるん
Béarn
フランス南西部の歴史的地域名、旧州名。スペイン国境に接する地方で、今日のピレネーザトランティク県の大部分にあたる。ローマ支配下ではアキテーヌの一部をなし、11世紀から子爵領となり、ガバレ家、フォア家、アルブレ家、ブルボン家が相次いで所有、最終的には1620年ルイ13世により王領に併合された。地形は山がちで、ポー川、オロロン川が深く侵食している。低地ではトウモロコシ、牧草が栽培され、傾斜地ではブドウ栽培、高地部では牧畜が盛んである。工業は中心都市ポーやラックの周辺に集中し、谷では水力発電が行われている。またピレネー山脈麓(ふもと)の観光地として訪れる人も多い。
[青木伸好]