ベアルン(読み)べあるん(英語表記)Béarn

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベアルン」の意味・わかりやすい解説

ベアルン
べあるん
Béarn

フランス南西部の歴史的地域名、旧州名。スペイン国境に接する地方で、今日のピレネーザトランティク県大部分にあたる。ローマ支配下ではアキテーヌの一部をなし、11世紀から子爵領となり、ガバレ家、フォア家アルブレ家ブルボン家が相次いで所有、最終的には1620年ルイ13世により王領に併合された。地形は山がちで、ポー川、オロロン川が深く侵食している。低地ではトウモロコシ牧草が栽培され、傾斜地ではブドウ栽培、高地部では牧畜が盛んである。工業は中心都市ポーやラックの周辺に集中し、谷では水力発電が行われている。またピレネー山脈麓(ふもと)の観光地として訪れる人も多い。

[青木伸好]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベアルン」の意味・わかりやすい解説

ベアルン
Béarn

フランス南西部,中部ピレネー山脈の北麓の旧地方名。現在のピレネーザトランティク県に包含される。中心都市はポー。イングランド,フランス両国王と争ったガストン7世 (1229~90) 時代には独立国の観があったが相続によってナバール (ナバラ) 王家の所有に帰し,同家からアンリ4世が出てフランス王に即位 (1589) するに伴いフランス領となった。

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デジタル大辞泉プラス 「ベアルン」の解説

ベアルン

《Béarn》フランス海軍の航空母艦。第一次世界大戦中に建造中断した超弩級戦艦からの改造空母。1927年、フランス初の空母として就役。1967年退役、スクラップとして売却

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世界大百科事典(旧版)内のベアルンの言及

【アドゥール[川]】より

…ガロンヌ川との分水界をなすアルマニャック丘陵はコニャックと並ぶブランデー(アルマニャック)の主産地。支流のオロロン川(ガーブ・ドロロン)との間はベアルン地方と呼ばれ,最大の支流ポー川(ガーブ・ド・ポー)に深く刻まれた丘陵地が広がる。ポー川沿いの中心都市ポーはフォアグラの特産で知られ,周辺では牧畜,トウモロコシ栽培が盛ん。…

【ガスコーニュ】より

…また,このころから大小の諸侯領が形成され,その間に絶え間のない抗争がくりひろげられる。とりわけ中世後期には,この地方諸侯の争いに仏英両王の戦いがからみ,複雑な様相を呈するが,なかでもフォアとベアルンを領有したガストン・フェビュス(1331‐91)は,強大な武力と巧妙な均衡政策により,ピレネー地方に事実上独立の王国を樹立した。彼はまた文武にすぐれ,この時代の大領主の典型として伝説的な人物でもある。…

※「ベアルン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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