フランスの作家モーパッサンの長編小説。1885年、『ジル・ブラス』紙に連載。『女の一生』に次ぐ長編第二作。ノルマンディー出身の青年ジョルジュ・デュロワは鉄道会社に勤める事務員で、月末の数日間はきまって持ち金がなくなり、食べるに事欠く状態。そのうち友人の勧めで新聞記者になると、持ち前の美貌(びぼう)(ベラミとは、「美男のおじさん」の意で彼のあだ名)と、厚かましさを武器に、友人やその夫人たちを利用して社交界に乗り出し、ついには大実業家の娘と結婚する。やがて舅(しゅうと)の経営する新聞社の実権を握って、パリの新聞界に君臨するようになる。名前もいつのまにかデュ・ロワと貴族風の綴(つづ)りに変えている。作者はこの物語を通して、フランス19世紀社会の世相、とくにある種のジャーナリズムを、また政府の植民地政策とひそかに通じあった金融界の一部を辛辣(しんらつ)に皮肉っている。
[宮原 信]
『杉捷夫訳『ベラミ』(岩波文庫)』
ユーラシア大陸、北アメリカ大陸北部に広く分布し、日本では北海道にエゾヒグマが生息する。成獣は体長2メートル以上、体重300キロにもなり、日本最大の陸生動物として知られる。雑食性で草や木の実、サケ、シ...