ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベリー公」の意味・わかりやすい解説
ベリー公
ベリーこう
Berry, Jean de France, Duc de
[没]1416.6.15. パリ
百年戦争中期のフランス最有力貴族の一人。国王ジャン2世の3男。父王のイングランド捕囚中,王の名代としてラングドック,オーベルニュ,ペリゴール,ポアトゥーなどフランス全土の約3分の1を支配。 1360年以後ベリー公としてベリーおよびオーベルニュを領有。兄王シャルル5世の死後,幼王シャルル6世の後見団の一員として事実上王政を左右しイングランドとの和平工作をした。オルレアン公ルイとブルゴーニュ公ジャン (無畏公) の抗争が激化してのちは両者の調停者の役割をつとめた。豪奢な生活を営み,美術,工芸の庇護者でもあった。今日シャンティイーのコンデ美術館に所蔵されている『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』 Très Riches Heures du duc de Berryは彼の宮廷生活の記念であるが,そのなかに当時の貴族や農民の日常生活が極彩色で描かれていることで知られる。
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