ペット感染症(読み)ペットカンセンショウ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペット感染症」の意味・わかりやすい解説

ペット感染症
ペットかんせんしょう

ペットから人間に感染する病気の総称。人獣 (畜) 共通感染症,動物由来感染症ともいい,病原体にはウイルス,細菌,原虫,寄生虫,節足動物などがある。狂犬病のほか,寄生虫が原因の包虫症,鳥から感染し呼吸器をおかすオウム病イヌやネコの糞などのトキソプラズマ原虫が原因のトキソプラズマ症,ネコのひっかき傷やノミなどにより感染するネコひっかき病,ハトの糞によるクリプトコッカス症ネズミなどが媒介するレプトスピラ症,イヌ,ネコ,小鳥などの下痢糞によるカンピロバクター下痢症,糞中のサルモネラ菌が感染経路のサルモネラ症など,日本では約 120~150種類,イヌやネコだけで約 30種類ある。普通は人体の抵抗力により感染しても症状が現れることは少ないが,ペットが感染しても無症状なのに人体に悪影響を及ぼすものもあり,特に妊婦や幼児の場合,重大な障害を引き起こすことがある。感染の予防としては,狂犬病予防のためのワクチン接種,過剰な触れ合いは控える,手洗い励行糞尿のすみやかな処理など動物の身のまわりを清潔にする,室内のこまめな換気などの必要がある。

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