ペット(その他表記)pet

翻訳|pet

デジタル大辞泉 「ペット」の意味・読み・例文・類語

ペット(pet)

愛玩あいがん用の動物。「ペットフード」
特定の人にとって、お気に入りの年少者。また、年下の愛人。
[類語]愛玩動物

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ペット」の意味・読み・例文・類語

ペット

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] pet )
  2. 飼ってかわいがる動物。愛玩動物。
    1. [初出の実例]「かな女のペットに〈略〉三つになる三毛猫がゐる」(出典:武州このごろ記(1935)〈北条清一〉一千字訪問)
  3. 特定の人に気に入られ、かわいがられる年少者。
    1. [初出の実例]「祖母のペットで、祖母と同じやうに色の浅黒い児である」(出典:母の死と新しい母(1912)〈志賀直哉〉七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ペット」の意味・わかりやすい解説

ペット
pet

愛玩動物のことで,楽しみの対象として飼育される動物をいう。一般には容姿が美しくかわいらしいこと,鳴声がきれいなこと,性質が明るく陽気で行動に愛嬌(あいきよう)のあることなどがペットとしての条件にあげられる。そのため遺伝的に改良された品種(愛玩用家畜)も多数あるが,広義にはあらゆる動物が含まれる。イヌ,ネコ,カナリアキンギョなどの哺乳類や鳥類,魚類は昔からペットとして飼いならされてきたが,最近ではヘビ,ワニ,カメなどの爬虫類カエルイモリなどの両生類も飼われるようになった。欧米ではこれらの愛玩動物を売買する店はペットショップと呼ばれ,各種動物をまとめて扱っているが,日本では小鳥屋,熱帯魚屋など別々の店で扱われる場合が多い。また昔はライオンやゾウなど大型動物を集めて楽しんだ王侯貴族もいたが,これもみずからの権勢を誇示する目的でペットとして飼育していたものと解釈される。このような猛獣をペットとして飼育する例は現在でもないわけではないが,近隣の住民への危険や飼育される動物の側の幸福の両面から考えて避けるべきであり,最近ではペット条例によってきびしく規制されている。日本では古くからヒバリメジロなどの野鳥を籠に飼い,そのさえずりを楽しむ風習があったが,原則として野鳥の飼育も鳥獣保護法により許可を必要とする。野生鳥獣の減少しつつある今日,ペットはその目的で飼育,繁殖されている愛玩用動物に限るべきであろう。

 愛玩用に育種された動物には,容姿を観賞するものと,鳴声を聞いて楽しむものと,競技をさせてその勝敗を楽しむものの三つがある。各種のテリアスピッツプードル,チンなどの愛玩犬,ペルシアシャムなどのネコは第1のグループであり,ニワトリにも尾長鶏チャボ,各種バンタムなどの観賞用の品種が作られている。魚類ではキンギョ,コイでたくさんの品種が作出されているほか,エンゼルフィッシュ,グッピーなど数多くの観賞用熱帯魚が人工的に繁殖されている。第2のグループは家禽(かきん)が中心で,カナリアをはじめ,ニワトリにはトウテンコウ(東天紅),コエヨシ(声良),トウマル(唐丸)など一声で20秒もの時を告げる長鳴鶏が作出されている。江戸時代にはウズラの鳴声を楽しむ風習があった。ニワトリの声を楽しむのは日本ばかりではなく,東南アジアのバリ島ではアオエリヤケイとニワトリの一代雑種を籠に飼ってその声を楽しんでいるし,ドイツでもクリューエル種という長鳴鶏が作り出されている。第3の競技用の動物としては,走らせてスピードを競う競馬と競走犬があり,ウマではサラブレッド種,アラブ種,イヌではグレーハウンド種,ホイペット種が作出されている。軽駕(けいが)競走用のウマにはトロッター種がある。また動物どうしを闘わせて勝負を楽しむ競技に闘牛(日本),闘犬,闘鶏がある。日本の闘牛はウシどうしが力比べをする牛相撲ともいうべきもので,人間とウシが闘うスペインやメキシコの闘牛とは異なる。スペインでは闘牛用のリディア種という黒いウシを作っているが,これはたけだけしく人に反抗する性質へ向けて改良した唯一の家畜であろう。闘犬,闘鶏は先進国では動物愛護の見地から禁止している所が多いが,闘鶏は東南アジアで現在もひじょうに盛んである。日本鶏のシャモ(軍鶏),サツマドリ薩摩鶏),カワチヤッコ(河内奴)などは闘鶏用の品種であった。

 これらの愛玩用の家畜はその特性をさらにのばすための品種改良の努力が続けられている。遺伝的な血統を明確にするために登録事業が各品種ごとに行われるほか,飼育管理にも特殊な技術が適用される。例えば尾長鶏は止め箱という縦長の箱に飼い,最初に生えてきた尾羽を引き抜いて次の尾羽を育てる方法で10mを越える長い尾を作り出す。競馬,競走犬,闘鶏でも競技に対する調教訓練がたいせつである。家庭で飼育するペットについても,体型,姿勢を整えるための断尾,断耳などの手術や,毛を刈り整えるトリミングなどが実施される。また人間と共同生活するのであるから,食事や排便などのマナーは幼時にしっかりとしつけることも必要である。一方人間の側にも,一度ペットとして飼育し始めたからには,一生めんどうを見てやるだけの覚悟がなければ,ペットを飼うべきではない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペット」の意味・わかりやすい解説

ペット
pet

愛玩動物のこと。大切にかわいがるために飼育されている動物をいう。かわいらしく愛嬌のある容姿,きれいな鳴き声,飼い主に従順な性格などがペットの条件としてあげられる。昔からおもに哺乳類,鳥類,魚類が飼われてきたが,近年はワニ,トカゲ,ヘビなどの爬虫類も人気を集めるようになり,両生類や昆虫類を含めて幅広くペットになりうる。そのなかで最も一般的なのはイヌ,ネコで,危険を察知したり狩猟の助けをしたり,ネズミをとるなど家畜としての役割を兼ねていたものが,長い歴史のなかで遺伝的に改良され,まったくの愛玩用になってしまった品種も少なくない。 1985年頃から,コンパニオンアニマル companion animalということばが使われ始めた。長い間いっしょに暮らしてきた動物を,伴侶や家族,友だちと同じように位置づける意味で,伴侶動物とも訳される。社会環境の変化に伴って,動物が愛玩の対象としてだけでなく,人間と対等な交友関係を結べる存在,人間の精神活動や社会生活に深くかかわる存在としてその意義や価値,役割が見直されてきたことが,その背景にあると考えられる。その観点から,動物を介した療法を行なうアニマルセラピーやペットとの死別のショックから立ち直れない状態に陥るペットロスの研究,盲導犬介助犬聴導犬など身体障害者補助犬を同伴できるようにするための身体障害者補助犬法の制定がなされている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「ペット」の意味・わかりやすい解説

ペット

愛玩(あいがん)動物。人間の生活に潤いを与えるために飼育される動物の総称。人間の生活圏に寄食していた動物が馴致(じゅんち)されたのが起源と想定され,きわめて古い歴史がある。古代エジプトのネコ崇拝はとくに知られる。容姿や鳴声,かわいいしぐさや性格などが喜ばれる。イヌ,ネコ,小鳥,キンギョなど伝統的なもののほか,最近は爬虫(はちゅう)類など多様化している。集合住宅での飼育の可否やペットの成人病など,従来みられなかった問題も生じている。猛獣や毒ヘビなど危険なものや,生息数が減少している野生動物の飼育は問題が多い。なお,家庭動物(ペット)をはじめ展示動物,実験動物なども対象に,1973年〈動物保護管理法〉が制定されたが,1999年に〈動物愛護管理法〉と改称,ペットの不適切な飼育や虐待を規制したが,2005年の改正によりペット業者の登録制が導入され,虐待や遺棄の罰金を30万円から50万円に引き上げる等の措置が取られた。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「ペット」の解説

ペット〔漫画〕

三宅乱丈による漫画作品。他人の意識の中に侵入し、その記憶を操作することができる力を持つ超能力者たちの物語。『ビッグコミックスピリッツ』2002年第35号~2003年第48号に連載。小学館ビッグコミックス全5巻。

ペット〔映画〕

2016年のアメリカのアニメーション映画。原題《The Secret Life of Pets》。監督:クリス・ルノー、ヤロウ・チェニー。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペット」の意味・わかりやすい解説

ペット
ぺっと

愛玩動物

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android