ペルガモンとその重層的な文化的景観(読み)ペルガモンとそのじゅうそうてきなぶんかてきけいかん

世界遺産詳解 の解説

ペルガモンとそのじゅうそうてきなぶんかてきけいかん【ペルガモンとその重層的な文化的景観】

2014年に登録された世界遺産(文化遺産)。トルコの西部、エーゲ海地方ミュシア県のバキルサイ平原にそびえる標高335mの岩山に築かれた古代城砦都市遺跡。ペルガモンは、紀元前3~前2世紀にアッタロス朝の首都として栄えたヘレニズム時代の都市で、文化、芸術、学問の中心地であった。城壁に囲まれた広大な傾斜地に、ゼウスの大祭壇やアテナ神殿、トラヤヌス神殿、アゴラ広場、図書館、柱廊ギムナジウム丘陵の傾斜面を利用して造られた円形劇場などがあり、紀元前4世紀から紀元4世紀までの長きにわたって使用された総合医療施設である「アスクレピオン」の遺跡も見事に保存されている。また北西の丘には、石彫りのキベレの聖域があり、城砦と一体となって美しい景観をなしている。その後ローマ帝国の属州の主要都市となり、アスクレピオン外港のエフェソスとともにヨーロッパとアジアをつなぐ要衝として発展し、繁栄を続けた。ヘレニズム時代からローマ時代、東ローマ時代、そしてオスマン帝国時代と時を重ねた重層的な文化的景観を形成している。◇英名はPergamon and its Multi-Layered Cultural Landscape

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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