ペルガモン(その他表記)Pergamon

デジタル大辞泉 「ペルガモン」の意味・読み・例文・類語

ペルガモン(Pergamon)

小アジア北西部スミルナ(現在のイズミル)の北方にあった古代都市。前3~前2世紀ペルガモン王国首都ヘレニズム文化の中心地の一。現在のトルコの都市ベルガマ

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精選版 日本国語大辞典 「ペルガモン」の意味・読み・例文・類語

ペルガモン

  1. ( Pergamon ) 小アジア西部、イズミル北方の古代都市。紀元前三世紀以降、ペルガモン王国の首都として繁栄。紀元前一三三年ローマ領となり、属州アジアの中心都市として栄えた。ヘレニズム文化の一中心地。現在のベルガマ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペルガモン」の意味・わかりやすい解説

ペルガモン
Pergamon

トルコ西部,ミュシアの古代都市遺跡。今日のベルガマ Bergamaにあたる。イズミルの北約 80kmに位置する。少なくとも前5世紀から存在し,前3~前2世紀ペルガモン王国の首都として繁栄(→アッタロス朝)。都市計画に基づいた代表的なヘレニズム都市で,エジプトアレクサンドリア図書館に次ぐ規模の大図書館が置かれた(→図書館)。発掘は 1878年以来ドイツのカール・フーマン,A.コンツェらによって行なわれ,中断しつつ 1938年まで続けられた。丘の上(→アクロポリス)にゼウス祭壇であるペルガモン祭壇アテナ神殿,トラヤヌス神殿,劇場などの遺跡が残され,特にペルガモン祭壇のフリーズを形成する『神々と巨人の戦い』の浮彫破片は著名(→ペルガモン派)。今日,祭壇はドイツのベルリンにあるペルガモン美術館に復元展示されている。ローマ時代に都市は平野部に広がり,ギムナシオンヘラおよびデメーテル聖域があった。ヘレニズム文化の景観をよく残しているとして,2014年世界遺産の文化遺産に登録された。

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改訂新版 世界大百科事典 「ペルガモン」の意味・わかりやすい解説

ペルガモン
Pergamon

小アジア北西部のミュシア地方にあり,ヘレニズム時代に栄えた都市。ペルガモン王国の首都。アッタロス1世の時代,ガリア人に対する勝利を記念して作られた《瀕死のガリア人》《妻を殺し自殺するガリア人》などの群像彫刻(ローマ,カピトリーノ美術館・テルメ美術館)や,エウメネス2世の時代の壮麗なゼウスの大祭壇とそのフリーズを飾る《神々と巨人の戦い(ギガントマキア)》の浮彫(ベルリン,ペルガモン美術館)など,ヘレニズム期ギリシア美術の貴重な遺物出土で知られる。ローマ支配下においても繁栄を続け,716年アラブに破壊されてからは衰微一途をたどったが,近代になってからはトルコのベルガマ市として復活し,この地方の産業・行政の中心地になっている。ペルガモンの発掘は1878年ドイツ人技師フーマンC.Humannとベルリン博物館のコンツェA.Conzeによって始められ,その後デルプフェルト,ウィーガントT.Wiegandらの考古学者に受け継がれた。その結果,アクロポリスの頂上市からはゼウスの祭壇,アテナとディオニュソスの神殿,トラヤヌス帝の神殿,王宮,図書館,劇場,兵営,アゴラなど,中腹市からはデメテルとヘラの神殿,三つの体育練習場,アゴラなどの広大な都市跡が明らかになった。また,アクロポリスの麓にある医神アスクレピオスの神域からは,ローマ時代の円形神殿や病人のための療養施設,列柱廊,小劇場,聖泉などが発掘されている。
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百科事典マイペディア 「ペルガモン」の意味・わかりやすい解説

ペルガモン

小アジア西岸のヘレニズム時代の古代都市。現在はトルコのベルガマBergama。前3世紀ペルシアから独立したペルガモン王国(アッタロス朝)の首都として繁栄,ヘレニズム文化の中心地の一つとなった。アレクサンドリアに次ぐ大図書館,ペルガモン派の浮彫のある大理石の祭壇などで有名。
→関連項目デルプフェルト羊皮紙

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペルガモン」の意味・わかりやすい解説

ペルガモン
ぺるがもん
Pergamon

トルコ西端、エーゲ海に面した古代のミュシア地方の都市。海岸から約25キロメートル内陸のカイコス川流域に位置し、ヘレニズム時代に繁栄した。現在名はベルガマBergama。紀元前3世紀の、セレウコス朝から独立したアッタロス家の支配以後歴史が始まる。エウメネス2世のとき小アジアの大部分を領有したが、のちローマ領となり、属州アジアの中心となった。アッタロス家諸王はペルガモンの丘陵に壮麗な都市を建設し、頂上のアクロポリスには城壁を巡らし、宮殿、図書館、アテネ神殿、大浮彫りで知られる「ゼウス神殿の大祭壇」が建設され、エジプトのアレクサンドリアと並ぶ大都市となった。美術でもヘレニズム美術を発達させ、とくに『瀕死(ひんし)のガリア人』『ガリア人とその妻』などの彫像はその代表作である。

[糸賀昌昭]


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旺文社世界史事典 三訂版 「ペルガモン」の解説

ペルガモン
Pergamon

小アジア北西部にあった都市国家(ポリス)。現在はトルコ領のベルガマ(Bergama)
アッタロス1世がセレウコス朝から独立してここに都を置いて以来,アレクサンドリアと並ぶヘレニズム文化の中心地。前133年,アッタロス3世が国土を遺産としてローマに献じたのちも,属州アジアの中心地として栄えた。716年イスラーム勢力により破壊された。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ペルガモン」の解説

ペルガモン
Pergamon

アナトリア北西部に位置し,前3世紀よりアッタロス朝の王国の首府として経済・文化ともに栄えたヘレニズム都市。前133年ローマ治下に移った後も属州アシアの中心をなした。

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デジタル大辞泉プラス 「ペルガモン」の解説

ペルガモン

田中芳樹原作のSFアニメ「銀河英雄伝説」シリーズに登場する宇宙戦艦。自由惑星同盟軍の第6艦隊旗艦。アキレウス級5番艦。

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世界大百科事典(旧版)内のペルガモンの言及

【図書館】より

…この分類の仕方は順序こそ違え,17世紀になってF.ベーコンが知識の分類にあげる3区分(哲学,歴史,詩)にほぼ対応する。 小アジアのペルガモンにもエウメネス2世の建てた図書館があったが,後年エジプト女王クレオパトラの歓心を買うため,ローマの将軍アントニウスがここの蔵書を彼女に与え,大量の本がアレクサンドリア図書館に入ったとの伝説が生まれた。学術文化の面で,ペルガモンと張り合ったアレクサンドリアの人々は,貴重な書字素材であるパピルスのペルガモンへの輸出を禁止した。…

【ペルガモン王国】より

…小アジア北西部の都市ペルガモンPergamon(現,トルコ領ベルガマ)を中心に,最盛期はミュシア,リュディア,フリュギア,ピシディアの各地方にまでまたがったヘレニズム時代の王国。前282年マケドニア系のフィレタイロスPhiletairosがセレウコス朝の宗主下にこの都市の支配者となり,前278‐前276年にガラティア人の侵入を退けてアッタロス王朝の基礎を確立した。…

【ヘレニズム美術】より

…このような古典主義的見方は後の人文主義者たちに受け継がれ,永い間,ヘレニズム時代は,ギリシア美術の衰退期と見なされてきた。この見解を根本から変えたのが,アッタロス王国の首都ペルガモンの遺跡の発見(1878)であった。ここに出土した建築とそれを飾っていた彫刻の遺品は,クラシック時代のものとは異なる,独自の価値をもつ力強い美術様式を示していた。…

【羊皮紙】より

…羊皮紙は東洋の製紙法が伝わり普及するにつれて衰退し,今日では装本材料としておもに用いられる。羊皮紙の発明は,大プリニウスによれば,前2世紀エジプトからのパピルス輸入を封じられたペルガモン王エウメネス2世が,対抗策として発明したといわれる。しかし皮を半透明の極薄手になめす技術は,すでに前10世紀の小アジアに存在した。…

※「ペルガモン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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