ペルシア暦(読み)ぺるしあれき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペルシア暦」の意味・わかりやすい解説

ペルシア暦
ぺるしあれき

ペルシアで行われる暦。紀元前500年ごろにエジプトから導入したとされ、セルジューク・トルコがペルシアを支配した1079年に改暦が行われた。エジプト暦と同様に太陽暦で、30日の月を12か月、別に付加日5日を置き、1年は365日である。1年は春分に始まるが、年首をつねに春分に置くことに努力した。そのための置閏(ちじゅん)法として、4年ごとに6日の余日を置き、これを6回、7回、あるいは8回繰り返し、次には5年目に一度6日の余日をもつ年を置く。つまり29年(=6×4+1×5)間に7回(=6+1)の閏(うるう)年を置くか、33年(=7×4+1×5)間に8回(=7+1)の閏年を置くか、37年(=8×4+1×5)間に9回(=8+1)の閏年を置いた。これら3種の置閏法のいずれを行ったか、また置閏周期の何年目に閏年を置いたかは明らかでない。いま33年周期のもの7回と37年周期のもの1回、合計268年(=33×7+37)周期に65閏年(=7×8+1×9)を置くような置閏法によると、1年の平均日数は365.242537日となる。なお、現行ペルシア暦は前半の6か月はすべて30日とし、4年ごとに第12月のあとに1日を挿入して31日とする。暦日夕方から始まる。イスラム教の行事用にはイスラム暦が使われる。

[渡辺敏夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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