ペール(その他表記)Pale

デジタル大辞泉 「ペール」の意味・読み・例文・類語

ペール(pale)

多く、色彩を表す語に付いて、淡い薄いの意を表す。「ペールトーン」「ペールグリーン」

ペール(pail)

バケツ手桶ておけ

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精選版 日本国語大辞典 「ペール」の意味・読み・例文・類語

ペール

  1. 〘 造語要素 〙 ( [英語] pale ) 淡い、薄い、また、色があせた、血の気がないなどの意で、他の外来語と複合して用いる。「ペールグリーン」「ペールトーン」など。〔外来語辞典(1914)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「ペール」の意味・わかりやすい解説

ペール
Pale

イギリスが他国の領土内に保有し自国の法律と国教により統治を行っていた地域を指す。〈柵〉または〈境界〉を意味するpaleに発する。最も著名なものはアイルランドダブリンを核とするもの(English Pale)で,ヘンリー2世のアイルランド遠征(1171)以来形成された。この地域がペールと呼ばれるようになったのは14世紀以降のこととされているが,イギリス支配の拠点ダブリンの統治下にある地域という意味で用いられたペールの用例は,1446年の文書が最古のものである。広さは時代により異なるが,ヘンリー8世のころには,東海岸のダンドーク,その南西ケルズ,南のネース,さらに東海岸のドーキーへと,ダブリンを囲んで東海岸約80km,幅約40kmほどの台形の地域からなっていた。エリザベス1世の時代にアイルランドがイギリスに征服され,1603年以降,イギリスの法律が全島に強制施行されるに及んで,ペールはその役割を終えた。なお,14世紀中葉から16世紀中葉まで,フランスのカレーにもイギリスのペールが存続した。
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世界大百科事典(旧版)内のペールの言及

【アイルランド】より

…1216年にはマグナ・カルタがアイルランドにも適用され,64年にはキルデア県のカスルダーモットではじめて議会が開かれるが,議員はすべてアングロ・ノルマン貴族であった。しかし,彼らはアイルランドの族長と結んでゲール化し,イギリスへの忠誠は弱まり,14世紀には,イギリスが直接支配する地域はダブリン周辺のペールと呼ばれる部分のみとなってしまった。こうした状態を打破し,再びアイルランド支配を確立したのが,チューダー朝の征服である。…

【ダブリン】より

…11世紀にアイルランドの族長ブライアン・ボルーがデーン人を打ち破ったのちも,ダブリンのデーン人はその勢力を保持し,キリスト教に改宗,アイルランド人と通婚して,長く平和裏に町を発達させていった。12世紀にはノルマン・コンクエスト後のイギリスに侵略され,1171年ヘンリー2世がアイルランド太守になってのちは,ペールと呼ばれるイギリス勢力圏の中心として,アイルランド支配の拠点になった。ばら戦争ではヨーク派の拠点となり,ピューリタン革命の際はO.クロムウェルに占領され,さらにウィリアム3世が進駐するなど,ダブリンは繰り返しアイルランドの歴史を大きく変える事件の舞台となった。…

※「ペール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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