ホッパースケール(その他表記)hopper scale

改訂新版 世界大百科事典 「ホッパースケール」の意味・わかりやすい解説

ホッパースケール
hopper scale

測定物をホッパー(大じょうご)に受け,あらかじめ設定した一定量を自動的に測り取るはかり。穀類肥料石炭などの定量袋詰めや,生コンクリート調合のように何種類かの原料を一定比率で配合するときなどに用いる。図はてこの重点にホッパーをつり下げたてこ式ホッパースケールの原理を示す。測定物の入ったバンカー(貯蔵器)下部のバンカーゲートが開くと測定物はホッパー内に落下し,落下物が所定量に達し,てこがあらかじめ設定した力点にかけたおもり箱とつり合うとき,機械的,あるいは電気的な方法でバンカーゲートを閉じ,ホッパーゲートを開けて落下物を排出しホッパーゲートを閉める。この動作の繰返しで一定量を自動的に測り取る。バンカーゲートの開閉速度は測定物の種類に応じ制御し,測定物の落下による衝撃の影響を少なくする。ホッパーをロードセルで支えた電子式のものは計量能率がよい。一般的な精度は1/500程度。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホッパースケール」の意味・わかりやすい解説

ホッパースケール
hopper scale

定量秤の一種。穀類,肥料,飼料,石炭などの定量袋詰や,生コンクリート調合など,工業用に広く使われる。てこの一端にホッパーをつるし,他端に一定重量の分銅箱をつるしてある。ホッパーの上方のバンカー (大箱) から品物を流入して,ホッパー内が一定量に達すると,てこが釣合って水平となる。このとき電気的または機械的な方法による信号を発して,バンカーの出口が閉じ,ホッパー底の口が開いて,下の容器内に品物が流れ込む。ホッパーが空になると,てこは分銅側が下がって傾いたまま停止し,信号により,ホッパーの底口が閉じ,バンカー出口が開くという仕掛けになって,前と同じ動作が繰返される。自動的に一定量をはかり取ることができるが,精度は品物の種類によっても異なり,小麦のように小粒で,さらさらしたものは精度がよく (誤差は1/500程度) ,ふぞろいのもの,微粉体,付着性のものは精度が落ちる。

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