日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホームネットワーク」の意味・わかりやすい解説
ホームネットワーク
ほーむねっとわーく
home network
家庭内に構築されたLAN(ラン)。さまざまな機器がルーターやSTB(セットトップボックス)などを介して接続され、相互に情報交換や機器の制御ができる。また、家庭でのネットワークの基盤となる通信環境そのものを意味することもある。家庭内LANともいう。家庭内で相互接続のできる機器(デジタル製品、ネット家電)には次のようなものがある。(1)パソコンや周辺機器、携帯型端末などの情報コミュニケーション機器。(2)カメラやビデオカメラを含むオーディオ・ビジュアル機器、ホームサーバーなど。(3)家庭用電気器具やスマートメーターなどの家電や住宅関連設備。(4)監視カメラやドアホン、各種センサーなどのセキュリティ関連機器。(5)健康や介護サービス関連機器。(6)自動車やカーナビゲーションシステム。
このような家庭向け機器のネットワークをホームネットワークとして統合する動きは、1980年代からみられたが、相互接続方式の国際標準化が困難で、パソコンやオーディオ、ホームテレホンなどの個別分野での利用が主であった。日本では日本電信電話会社(NTT)によるHBS(Home Bus System)規格が提唱され、ホームテレホンなどの通信機器が普及したものの、国際標準化には至らなかった。その後、ホームサーバーに記録されたAVコンテンツをパソコンやスマートフォンなどからネットワーク利用できる方式とし、DLNA準拠の規格や、ネットワーク配信するための著作権保護方式DTCP-IP(Digital Transmission Content Protection over Internet Protocol)などが国際標準化された。これを受け、屋内外からホームネットワークに接続するコンテンツ利用が急速に広がった。また、日本では住宅設備や白物家電をホームネットワークに接続する標準規格ECHONET Lite(エコーネット ライト)が2011年に制定されている。
[編集部]