VLAN(読み)ぶいらん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「VLAN」の意味・わかりやすい解説

VLAN
ぶいらん

ネットワークの管理方法の一つで、LANに接続された機器の実際の配置ケーブル接続の状態に関係なく、任意のコンピュータ情報機器で仮想的なグループを構成し、そのグループ内だけで相互通信ができるようにする手法。バーチャルローカルエリアネットワークvirtual local area networkの略で、仮想LAN、バーチャルランvirtual LANともいう。たとえば、同じフロアにある二つの部署が一つのネットワーク装置にコンピュータを接続しつつも、部署間のアクセスは制限したい、という場合に利用できる。このときはVLANのLANスイッチ機器の機能を使い、一つのネットワーク装置のなかに部署ごとに分けた別々のLANがあるかのような仮想的な構成を設定すれば、相互のLAN内のコンピュータとは通信ができなくできる。VLANはおもにルーターハブなどのネットワーク装置の拡張機能であり、LANに接続されたコンピュータや情報機器ごとに割り当てられたMACアドレスイーサネット用カードに固有のID番号)やIPアドレスなどを利用し、通信可能なグループを分けて構成する仕組みになっている。ネットワークの混雑を緩和したり、帯域幅を有効に活用するために用いられるほかに、重要な情報を含むデータの流れを分離してセキュリティを高めたり、障害が発生した機器や回線を隔離して、ネットワーク全体への波及を防ぐ場合などにも使われる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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