ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボニファチウス1世」の意味・わかりやすい解説
ボニファチウス1世
ボニファチウスいっせい
Bonifatius I
[没]422.9.4. ローマ
ローマ出身の第42代教皇(在位 418~422)。聖人。教皇ダマスス1世(在位 366~384)に叙階された司祭で,教皇インノケンチウス1世(在位 401~417)のもとコンスタンチノープルで働いたとされる。ローマの有権者の大多数により教皇に選出されたが,助祭長(→助祭)だったエウラリウスが聖職者の派閥に支持され対立教皇となり,史上 5度目の教会大分裂がローマを混乱に陥れた。エウラリウスは,調停会議の結果を待つ間は 2人ともローマを去るという協定を破って西ローマ皇帝ホノリウス(在位 393~423)の支持を失い,ボニファチウス1世がローマに戻って 15週にわたる教会分裂に終止符を打った。在位中はエウラリウス派による激しい妨害を受けたが,平和的ながら堅実な外交と,ペラギウス説との論争でヒッポのアウグスチヌス司教を熱烈に支持したことで知られる。祝日は 9月4日。
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