差止請求権(読み)さしとめせいきゅうけん

精選版 日本国語大辞典 「差止請求権」の意味・読み・例文・類語

さしとめ‐せいきゅうけん ‥セイキウケン【差止請求権】

〘名〙
① 民法上、自己の権利を侵害され、あるいは不当に不利益を受けるおそれのある者が、その行為の差し止めを請求する権利。公害や名誉毀損の訴えなど。
② 商法上、株式会社または有限会社の取締役や清算人が違法な行為をするおそれがある場合に、株主または社員が事前にそれらの行為の差止めを請求できる権利。英米法のインジャンクション差止命令)にならい、昭和二五年(一九五〇)の商法改正で採用された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「差止請求権」の意味・わかりやすい解説

差止請求権
さしとめせいきゅうけん

民法上

自己の権利を侵害され、あるいは侵害される可能性のある者が、その加害行為を行う者に対してそれをやめるよう請求することのできる権利。権利の侵害とは、法の保護に値する利益(法益)を違法に侵害することだと理解するならば、自己の法益を違法に侵害され、あるいは侵害される可能性のある者が、その加害行為をやめるよう請求することのできる権利だといってもよい。たとえば、隣の工場からの著しい騒音により生活妨害を受けている者が、その工場に対して一定レベルを超える騒音を発生させないよう請求したり、あるいは雑誌に名誉毀損(きそん)となる記事を書かれた者が、その記事の発表の差止め(発売の停止、回収など)を請求する場合などである。

 差止請求権は種々の場合に生じる。たとえば、振動により他人の建物に亀裂(きれつ)を生じさせたとか、生じさせるおそれがある場合のように、他人の財産に対する侵害ないしその可能性があれば、所有権など物権的請求権を根拠として差止めを求めることができる。また、大気汚染水質汚濁により健康被害ないしその可能性があるとか、騒音や日照妨害により精神的苦痛を受けあるいはその可能性がある場合には、人格権の侵害を理由として差止めを求めることができる。名誉毀損、プライバシーの侵害、氏名権や肖像権の侵害などの場合にも、人格権に基づいて差止めを請求できる。

 以上のように、権利の侵害から差止請求権を導く考え方(判例・通説)に対して、不法行為が成立する場合には差止めを請求できる、とする考え方もある。さらに以上のほか、公害・環境破壊の事例では、環境権に基づき差止めを求めることができるかどうかが議論の対象になっているが、判例はこれを認めていない。

 差止請求権が認められるかどうかは、被侵害利益と加害行為の態様の両側面から判断されている。

 被侵害利益の側面とは、いかなる権利・利益が侵害されているか(あるいはその可能性があるか)ということであり、生命・健康のように権利性の強い法益の侵害の場合には、原則として加害行為の態様を考慮せずに差止めが認められ、精神的苦痛や不快感のような場合には、多かれ少なかれ加害行為の態様が考慮される。加害行為の態様の側面とは、加害行為に公共性があるかどうか、防止措置が容易かどうか、行政規制に違反していないかどうか、加害行為を行うにあたって(とりわけ立地などの場合に)アセスメントや住民同意を得る手続をとったかどうか、ということである。

 判例は、一般に、以上のような被侵害利益の種類・性質と加害行為の態様のほか地域性などを総合考慮して、被害が一般に受忍の限度を超えると認められるような場合には差止めを認め、そうでない場合には差止めを否定している。差止めの方法としては、防音壁の設置などの具体的な作為の請求のほか、騒音を一定限度を超えて発生させないといったような不作為請求も可能というのが、学説および下級審裁判例の考え方である。

淡路剛久

会社法上

各種の差止請求権

会社法の規律においては、事後の無効主張や損害賠償による救済策に加えて、事前の防止策や不利益回避策を定めることが望ましいと考えられる場面が増え、各種の差止請求権が定められている。エンフォースメント(法執行)手法の多様化である。すなわち、株主による取締役・執行役の違法行為の差止め(会社法360条、422条。以下の条文番号はすべて会社法をさす)、監査役等による取締役・執行役の違法行為の差止め(385条、399条の6、407条)、株主が会社に対して主張する募集株式発行の差止め(210条、247条)、全部取得条項付種類株式の取得の差止め(171条の3)、株式併合の差止め(182条の3)、組織再編の差止め(784条の2、796条の2、805条の2)、および、売渡株主等が特別支配株主に主張する株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得の差止め(179条の7)がある。

[福原紀彦 2017年12月12日]

株主・監査役等の取締役等の違法行為差止請求権

6か月前から継続して株式を保有する株主(非公開会社では6か月の継続保有要件は不要)は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令もしくは定款に違反する行為(違法行為等)をし、または、するおそれがある場合、この行為によって会社に「著しい損害」(監査役設置会社、監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社では、「回復することができない損害」)が生じるおそれがあるときは、取締役に対して当該行為をやめるよう請求することができる(360条)。

 取締役が違法行為等を行って会社に損害を及ぼしたときは損害賠償責任を負うが、事後的な損害賠償では十分な救済が得られない場合があるから、そのような行為を事前に抑止する必要がある。そして、取締役の違法行為等については、本来、会社が事前に差し止めるべきであるが、取締役は会社の業務執行にあたり一定の地位を有しているため、会社が差止めによってそうした行為を抑止することはかならずしも期待できない。また、取締役の業務執行を監視する機関が常置されていない場合、あるいは、それが常置されていても機能しない場合に備える必要がある。そこで、一定の要件のもとに、個々の株主に会社のために機関的な地位を認め、取締役の違法行為等の差止めを請求する権利(違法行為差止請求権)を定めたのである。

 指名委員会等設置会社においては、執行役や清算人の違法行為等に対しても株主の差止請求権がある(422条、482条4項)。

 差止請求の対象となる取締役の行為は、株式会社の目的の範囲外の行為その他法令もしくは定款に違反する行為(違法行為等)である。「株式会社の目的の範囲外の行為」とは、定款所定の目的(会社の事業目的)の範囲外の行為のことであり、これは定款の具体的な規定に違反し、取締役の善管注意義務に違反する行為の例示にすぎない。目的範囲外行為が差止めの対象になると明文化されたのは、アメリカの州会社法の伝統に基づく。差止めは会社内部の問題であり取引の安全を考慮する必要がないので、客観的に会社の定款所定の目的の範囲内であっても取締役・執行役の行為が主観的に目的の範囲外であれば差止めの対象となる。

 取締役または執行役の違法行為等に対する同様の差止請求権は、監査役設置会社の監査役、監査等委員会設置会社の監査等委員、指名委員会等設置会社の監査委員にも認められる(385条、399条の6、407条)。

[福原紀彦 2017年12月12日]

株主の会社に対する差止請求権
(1)募集株式発行等における既存株主の差止請求権

会社が法令・定款に違反し、または著しく不公正な方法で、募集株式や募集新株予約権を発行しようとするとき、これにより不利益を受けるおそれのある株主は、会社に対して募集株式の発行(自己株式の処分を含む)や募集新株予約権の発行の差止めを請求できる(210条、247条)。既存の株主の持株比率が低下させられたり、持分(もちぶん)の実質的価値が低下させられたりするなど、不利益を被るおそれがある。当該差止めは、このような株主自身の利益保護を目的としており、株主・監査役の違法行為差止請求権とはその趣旨を異にする。なお、「不公正」とは、たとえば、資金調達のニーズよりも、もっぱら特定の株主の持株比率の低下と現経営陣の支配権の維持を主要な目的とする場合が、これに該当する。

[福原紀彦 2017年12月12日]

(2)キャッシュ・アウト等における株主の差止請求権

2014年(平成26)改正会社法は、少数株主の個別の同意を得ることなく少数株主全員に金銭を対価として交付することで、その有する株式全部を取得し、少数株主を締め出すこと(キャッシュ・アウトまたはスクイーズ・アウト)のニーズを踏まえ、少数株主の利益に配慮し、手続の公正性を確保しつつ、キャッシュ・アウトの方途を整えた。その一環として、株主総会の特別決議を要するキャッシュ・アウトの方法となる株式併合または全部取得条項付種類株式の取得の場面では、それらが法令または定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は会社に対し、当該株式併合や全部取得条項付種類株式の取得の差止めを請求することができる(182条の3、171条の3)。

 また、株主総会の決議を要しないキャッシュ・アウトの手法となる特別支配株主の株式等売渡請求の場面(179条以下)では、売渡請求等の法令違反もしくは著しく不当な対価等の場合において、売渡株主が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡株主は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部取得の差止めを請求することができる(179条の7)。

[福原紀彦 2017年12月12日]

(3)組織再編における株主の差止請求権

2014年改正会社法により、組織再編(簡易組織再編または略式組織再編の要件を充足するものを除く)においても、法令または定款に違反する場合であって、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主がその差止めを請求することが認められる(784条の2、796条の2、805条の2。2014年改正追加事項)。もっとも、募集株式の差止請求の場合と異なり、それらが「著しく不公正」であることは差止事由とはされていない。なお、ここにいう「法令」の違反には、役員の善管注意義務違反は含まれず、また、対価が相当でないことは差止事由にはならないとの解釈が法務省民事局参事官室から示されている。

[福原紀彦 2017年12月12日]

『鳥山恭一・福原紀彦・甘利公人・山本爲三郎・布井千博著『会社法』第2次改訂版(2015・学陽書房)』『江頭憲治郎著『株式会社法』第6版(2015・有斐閣)』『奥島孝康・落合誠一・浜田道代編『新基本法コンメンタール 会社法2』P.360(2016・日本評論社)』『神田秀樹著『法律学講座双書 会社法』第19版(2017・弘文堂)』『福原紀彦著『企業法要綱3 企業組織法――会社法等』(2017・文眞堂)』

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改訂新版 世界大百科事典 「差止請求権」の意味・わかりやすい解説

差止請求権 (さしとめせいきゅうけん)
injunction

他人の違法な行為によって自己の利益を侵害されていたり侵害されるおそれのある者がその行為の差止めを請求する権利。

たとえば公害被害者が,公害発生企業または公共施設に対して違法な公害発生行為を止めるよう請求するような場合に問題となるが,差し止めることができるかどうかは,被害の態様と侵害行為の態様を総合的に判断して決められる。被害の態様が重大である場合,たとえば人の生命・身体が侵害されまたはそのおそれがある場合には,その侵害行為の態様を問わず差し止めることができる。侵害行為が悪質である場合,たとえば,いやがらせのために煙・騒音等を隣家に侵入させている場合,被害の大小を問わず差し止めることができる。このような両極端な場合を別とすると,判断は容易でない。被害の態様については,地域性と行政的規制基準が重要なめやすになる。前者では,その騒音が被害者の住む住居地域において受忍しなければならない程度のものか否かが(その程度は商工業地域のそれとは異なることは当然である)めやすになる。後者については,大気汚染防止法,水質汚濁防止法,騒音規制法等による行政的規制基準をこえていれば当然違法と推定され,それ以下でも当事者の事情,防止措置の難易によっては違法と判断される,というようにして考慮される。また,侵害行為の態様としては,公共性,防止措置の難易が判断要素の重要な部分となる。ただし,公共性を考慮する場合,公共性にも程度の差があって日常不可欠なものと,あったほうが便利という程度のものは区別しなければならないし,広範な被害を与えている場合は公共性も相殺されることにも留意しなければならない(大阪空港公害事件における1981年の最高裁判決)。

 近時,企業・公共施設(とくにごみ処理場,下水処理場等)の建設自体の差止めを求める事前差止訴訟が増加しているが,この場合,十分な環境アセスメントをしたかどうか,そしてこの結果を周辺住民に公開し説明・説得したかどうかも重要な判断要素となっている。

 差止めの方法として,被害者が具体的な防止措置(防音壁や浄化装置の設置等),操業時間制限あるいは操業停止(事前差止訴訟では建築禁止)を求めた場合,被害の態様等に照らして,その可否が判断されることになる。単に○○ホン以上の騒音(あるいは○○ppm以上の汚染)を原告居住地に到達させるな,という抽象的な差止請求が可能であるかどうかについて,一部に異論はあるが,学説・判例(下級審)の大方はこれを認めている。

 差止請求の法的根拠としては,伝統的には被害者の所有権等による妨害排除すなわち物権的請求権占有の訴えが用いられてきた。しかし,近時は,公害差止めは,人間を守るためのものであって財産権の保護ではないという観点から,人格権による差止めが一般的に承認されるようになった。さらに学説上は,被害の広範さを直接に差止めの判断に反映させるため,そして具体的被害発生前に環境破壊を阻止するために環境権が主張されているが,裁判所は要件が不明確である等を理由にこれを認めていない。なお,不法行為(民法709条)の要件があれば(そのおそれのある場合も)差し止められるとの説もある。

 差止請求は,公害にかぎらず多様なケースがありうる。名誉・プライバシーを侵害する出版物,映画等の差止め(たとえば,北方ジャーナル事件--1980年の札幌地裁判決)や金融業者の過酷な取立行為の禁止の裁判例もある。また,特別法で差止請求権が規定されている場合がある。たとえば,周知された他人の氏名,商号,商標等と同一または類似のものを使用した商品を販売,輸出等をする者等に対して,営業上利益を侵害されるおそれのある者は差止めを請求しうる(不正競争防止法1条)。また,特許権者等は自己の特許権等を侵害する者または侵害するおそれがある者に対し,その侵害の停止または予防を請求することができる旨の規定がある(特許法100条,同趣旨の規定が商標法36条,意匠法37条,実用新案法27条,著作権法112条)。

 差止請求が認められる要件と損害賠償が認められる要件との間には相違がある。損害賠償は過去の行為による侵害を原状に回復することを目的とし,民法709条によるかぎり,違法性のほかに侵害について故意・過失が存在することを要する。差止めは,将来において損害の発生することを防止することを目的とするから,加害者が侵害原因を支配していれば足り(除去可能性),故意・過失に相当するものは必要ではない。また,違法性を判断する際,公共性や防止措置の難易は損害賠償においては考慮されないか,考慮する場合でもその程度は差止めに比べて低い。

 なお,ほかに住民訴訟の一類型としての差止請求も存在する。
執筆者:

株式会社,有限会社において,取締役や会社が違法な行為をしようとしているときに,その行為をしないように求める権利または権限をいう。違法な行為がなされてしまった後は,そのために損害を受けた者が賠償を請求することになるが,違法行為がなされようとしていることが事前にわかれば,それをやめさせることによって,損害の発生を未然に防ぎ,事後処理の複雑さを避けることができる。以下,株式会社における場合を中心に述べる。

 株主割当でもないのに新株を時価より低い価額で発行すると,既存の株主が不利益を受ける。このような場合,株主は会社に対し,そうした違法な新株発行をやめるよう請求することができる(商法280条ノ10)。

 取締役が会社の財産を不当に流用しようとしたり,定款に定めていない事業を始めようとしている場合などには,株主が会社に代わって取締役に対し,その行為をやめるよう請求することができる(272条)。濫用を防ぐため,6ヵ月前から株主であった者だけがこの権利を認められ,また会社に回復不能の損害が生じるおそれのある場合に限ってそれを行使することができる(なお,商法430条2項,有限会社法31条ノ2,75条2項参照)。

 上記のような取締役の違法行為は,監査役もそれをやめるよう請求することができる(商法275条ノ2-1項。ただし,商法特例法25条)。監査役は会社の機関であって,必要な場合はこの権限を行使する義務を負う。他方,会社に生じるおそれのある損害が著しいものでさえあれば,回復不能ではない場合でも,監査役はこの権限を行使できる。

 請求を受けた取締役や会社が違法行為をやめそうになければ,差止めの訴えを提起し,また仮処分を求めることもできる(民事保全法9条以下)。株主がこの裁判を求める場合には,代表訴訟に準じた扱いがなされる。また,監査役にはこの仮処分を求めやすくしてある(商法275条ノ2-2項)。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「差止請求権」の意味・わかりやすい解説

差止請求権【さしとめせいきゅうけん】

他人の違法な行為により自己の利益を侵害されたり侵害されるおそれのある者が,その行為の差止めを請求する権利。損害賠償に対して事前の救済を目的としており,英米法のエクイティに起源を持つ。(1)民法上は,公害被害者が公害発生企業または施設に対し違法な公害発生行為を止めるよう求める場合や,名誉やプライバシーを侵害する出版物等の差止め,氏名・商号・商標等の不正使用差止めなど。(2)会社法上は,株式会社の株主監査役が,取締役や会社が違法行為をしようとしている時に,その差止めを求める権利。この制度の趣旨は株主代表訴訟と同じであるが,株主代表訴訟が事後的な救済措置であるのに対し,差止請求は事前の防止措置である点が異なる。
→関連項目人格権特許権

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産学連携キーワード辞典 「差止請求権」の解説

差止請求権

「差止請求権」とは、特許権を侵害している、もしくは侵害する恐れがある者に対して、侵害の停止、または予防を行うことが出来る権利のことを指す。「差止請求権」は、特許権者もしくは専用実施権者に与えられる権利であり、差止請求の他、特許権侵害により製造された製品の廃棄、侵害行為に基づく設備の撤去などの請求を行うこともできる。また、特許権共有者は単独で差止請求を行うことが出来る。

出典 (株)アヴィス産学連携キーワード辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の差止請求権の言及

【物権的請求権】より

… 不動産賃借権は債権であって物権ではないが,民法605条,建物保護法1条などにより対抗力を備えているときは,物権と同様,不動産賃借権に基づく妨害排除請求権が解釈上認められている。公害差止めの根拠とされる人格権に基づく差止請求権も物権的妨害排除請求権から展開されてきた。物権【伊藤 高義】。…

【不法行為】より

…不法行為と判断されるか否かについては過失や因果関係という要件の内容の判断が行われたのに対し,効果の面では慰謝料の取扱いをとおして,現実の社会における損害事件から被害者を救済するための弾力的対応がなされてきたといえよう。
[差止め]
 なお,不法行為の効果は民法上は損害賠償義務の発生であるが,公害事件を重要なきっかけとして,加害行為の禁止(差止め)をも認めるべきことが主張されている(差止請求権)。差止めのためにはどのような事実が存在しなければならないかについては,裁判上の基準はまだ明らかになっているわけではない。…

※「差止請求権」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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