ボレル集合(読み)ぼれるしゅうごう(英語表記)Borel set

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボレル集合」の意味・わかりやすい解説

ボレル集合
ぼれるしゅうごう
Borel set

直線上の[a,b)の形の半開区間、また平面上の[a1,b1)×[a2,b2]の形の半開区間をIとする。このような半開区間からIの補集合Ic、および可算個のInから和集合∪Inをつくることにより得られる集合の全体をボレル集合族といい、それに属する集合をボレル集合という。

 明らかに半開区間には、その長さまたは面積が決定できる。よって、それから生成される完全加法的な測度を考えると、ボレル集合は可測になり、測度が定義される。

 なお開集合は半開区間の可算個の和集合として表されるから、ボレル集合は開集合から生成される完全加法的な集合族と定義してもよい。

 以上の定義はn次元空間にもそのまま拡張される。

[洲之内治男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボレル集合」の意味・わかりやすい解説

ボレル集合
ボレルしゅうごう
Borel set

平面上で,正方形全体の集合を考え,これらから出発して,可算個の合併集合,可算個の共通集合,また補集合をつくるという3種類の操作によってつくりだされる集合。積分論確率論で重要な役割を演じる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android