ボート競技の用語(読み)ぼーときょうぎのようご

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボート競技の用語」の意味・わかりやすい解説

ボート競技の用語
ぼーときょうぎのようご

イージーオール easy oar
 オールを水中から出して漕(こ)ぐ動作をやめること。フェザー状態(別項参照)で静止する。

キャッチ catch
 ブレードblade(オール先端の水をかく平たい部分)が水をつかむこと。

クルー crew
 ボート乗組員の総称。普通、エイトでは、漕手(そうしゅ)を、艇首にもっとも近い者からバウbow(舳手(じくしゅ))、以下左右交互に2番手、3番手、4番手と順次によび、艇尾にもっとも近い8番手の漕手をストロークstroke(整調)という。そしてストローク側の舷(げん)を漕ぐ漕手をストローク・サイド、バウ側をバウ・サイドという。これに、艇尾に前向きに座るコックスcoxswain(舵手(だしゅ))を加えた9人がクルーとなる。しかし最近の艇は種類によってコックスが艇首に位置したり、左右交互でない変則シートのエイト、フォアもある。

ストローク stroke
 オールによる1回1回の漕ぎ。

ドライブ drive
 ブレードが水の中にあり、水を押している状態。

バックワード backward
 キャッチからフィニッシュまでの間、オールが水に入ったら、足を伸ばして体を後方に運ぶこと。

パドル paddle
 水中を全力で漕ぐこと。

ハンズ・アウェイ hands away
 1本の引きが終わり、ハンドルを持った手を手前に引いた位置から斜め前下にスピーディーかつ軽快に投げ出す動作。つまり、ここからフォワード(別項参照)に移る。

ピッチ pitch/レート rate
 1分間にオールを漕ぐストロークの回数。艇の種類、漕手の体力、レース戦略などによって決められるが、普通、レース中は35~38の間。スタート、レースの中のコンスタント漕、スパートとレース中でも、もっとも消耗が少なく効率的に漕ぐように考えられている。

フィニッシュ finish
 ブレードの漕ぎ終わり。1本のオールは水中でキャッチからフィニッシュまで一連の動作としてなされる。

フェザー feather
 返翼といい、1漕ぎのあと、オールの先を水から抜き上げると同時に、オールを直角位から水平位に回転させる動作。ブレードによる空気抵抗を減らし、ブレードが水面をたたいてバランスを崩す危険性を回避する効果がある。

フォワード forward
 フィニッシュから次のキャッチまでのことで、この間オールを空中で返翼しながら休息をとり、リズムを整える。

水をあける
 レース中、2艇間の差が1艇身以上となり、リードしている艇尾と遅れている艇首との間に横から見て水が見える状態をいう。英語ではデーライトdaylightという。

ミドル middle
 水中での引きの真ん中で、バックワードの中間。なお、クルーにおけるボートの中心部の漕手(エイトでは3・4・5・6番手、フォアでは2・3番手)もミドルとよぶ。普通、ボートのエンジンの役割をする力のある漕手を配する。

ライトパドル light paddle
 やや軽く漕ぐこと。

ロー・アウト row out
 体力の限界まで漕ぎ切ること。

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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