日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボーマノアール」の意味・わかりやすい解説
ボーマノアール
ぼーまのあーる
Philippe de Rémi, Sire de Beaumanoir
(1246/1247―1296)
フランス中世の著名な法学者。詩や小説も書いた。小貴族で、裁判、行政、財政などを監督するため国王により派遣された地方官吏であった。ローマ法、教会法はもちろん、とくに慣習法に通じていた。1280~1283年秘書に口述筆記させた『ボーボアージ地方クレルモン伯領の慣習法』Coutumes du comté de Clermont en Beauvoissisは、全体1982節に及ぶ大作で、中世フランス語で書かれ、フランス中世慣習法書中の白眉(はくび)であり、後世フランスの慣習法統一に大きな影響を与え、同時に王権強化の理論の確立に寄与した。
[佐藤篤士]
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