法書(読み)ホウショ(その他表記)Rechtsbücher[ドイツ]

デジタル大辞泉 「法書」の意味・読み・例文・類語

ほう‐しょ〔ハフ‐〕【法書】

書の手本となる筆跡。また、法帖ほうじょうのこと。
法律関係の書。

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精選版 日本国語大辞典 「法書」の意味・読み・例文・類語

ほう‐しょハフ‥【法書】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 臨書模範となるべき書物。手本。法帖
    1. [初出の実例]「収蔵法書名画金石彝鼎、及夷蛮所出異品奇物」(出典随筆山中人饒舌(1813)下)
    2. [その他の文献]〔顔氏家訓‐雑芸〕
  3. 法律制度に関する書。
    1. [初出の実例]「法書は皆呉音によむへき也」(出典:清原宣賢式目抄(1534)四三条)
    2. [その他の文献]〔易林〕

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改訂新版 世界大百科事典 「法書」の意味・わかりやすい解説

法書 (ほうしょ)
Rechtsbücher[ドイツ]

一定地方に現存する不文の法を記録・叙述した私人の作品を法書と呼ぶ。法書は,ヨーロッパでほぼ12世紀に始まり13世紀に著しい展開をみせた法の文書化現象の表れである。テキストはしばしばラテン語でなく民衆語で書かれている。法書は,法源と法文献との境界線上に位置するものといえるが,たいていは迅速に,一般的に承認された法源としての地位を得ている。また最初から半ば公的な性格を備えていたものもある(イタリア諸都市の慣習法記録,スペイン諸都市のフエロスfuerosなどの中にみられる)。当時におけるローマ・カノン法学の普及が,こうした法記録への刺激を与え,また概念的・技術的な道具を提供したといってよいが,その影響の程度・態様はさまざまである。ドイツの〈ザクセンシュピーゲル〉〈シュワーベンシュピーゲル〉,フランスの〈ボーベ地方慣習法書〉などではそれほどでもないが,フエロスや,イングランドブラクトンの著作,フランスの〈聖王ルイの法令集〉といった法書にはかなり明瞭なローマ・カノン法学の影響が認められる。
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普及版 字通 「法書」の読み・字形・画数・意味

【法書】ほう(はふ)しよ

名家の書。手本となる書。〔梁書、殷鈞伝〕鈞(秘書丞の)に在り、(はじ)めて祕閣四部の書を定し、(あらた)めて目を爲(つく)る。詔を受けて西省の法書古迹を料檢し、別に品目を爲る。

字通「法」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「法書」の意味・わかりやすい解説

法書
ほうしょ
Rechtsbücher

法に精通した者が特定地方の慣習法を編纂,記述した私撰法律書。本来は,法律の効力をもたなかったが,年月の経過とともに法典と同じような権威をかちえたものも少くない。多くはラテン語を用いず,その地方の民衆語で書かれている。『ザクセン・シュピーゲル』『シュワーベン・シュピーゲル』『ドイッチェン・シュピーゲル』フランスのボーベージの慣習法などがこれに属する。

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