日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポッケルス効果」の意味・わかりやすい解説
ポッケルス効果
ぽっけるすこうか
Pockels effect
誘電体の等方性結晶に電場をかけると複屈折を示す現象。ドイツの物理学者ポッケルスFriedrich Pockels(1865―1913)が1893年に発見したもので、電場強度に比例して屈折率が変化するため一次の電気光学効果(光の非線形効果の一つ)とよばれ、電場強度の二乗に比例する電気光学カー効果とは区別される。圧電性のある結晶に光を入射し、その入射光と垂直に電場をかけると入射光が複屈折により2本に分裂する。この効果を使い、電場の強弱により出力光を制御することができるようにした光学素子をポッケルス・セルという。屈折率の大きさを制御できるので、光変調器、光偏向器などに利用される。
[山本将史 2022年7月21日]