ポンプ座(読み)ぽんぷざ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポンプ座」の意味・わかりやすい解説

ポンプ座
ぽんぷざ

春の宵の南の地平線近く、うみへび座南西に接する星座。4等のα(アルファ)星のほか目につく星もなく、18世紀のフランスの天文学者N・L・ラカイユがここに想像した、当時の真空ポンプの姿を思い浮かべるのはむずかしい。この星座は、ボイル法則で知られるイギリスの物理学者R・ボイルらが改良した当時最新の真空ポンプを記念して設定されたもので、かつての日本名も空気ポンプ座、排気器座などとよばれていた。ただし、ラカイユの星図に描かれているのはフランスのD・パパンが製作した旧式の真空ポンプに似ている。

[藤井 旭]

『藤井旭著『星座大全――春の星座』(2003・作品社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポンプ座」の意味・わかりやすい解説

ポンプ座
ポンプざ
Antlia

4月の宵に南中する南天星座。概略位置は赤経 10時,赤緯-35°。輝星に乏しい。 N.ラカイユが,O.ゲーリッケの真空ポンプを記念してつくったもの。

ポンプ座
ポンプざ
pump station

坑内において揚水ポンプを設置してある場所。一般に竪坑底または斜坑底付近に主要水溜を設け,かつ,坑内の最深部その他坑内湧水の多い部分から主要水溜へ揚水し,その水量が一定量以上になると主要揚水ポンプが自動的に運転し,最終的には坑外へ排出される。

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