ぽん
- 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
- ① 物がはぜたり、何かにはまっているものが勢いよく抜けたりする音を表わす語。
- [初出の実例]「ぽん。是はいかな事。さんざんにはねた」(出典:虎寛本狂言・栗焼(室町末‐近世初))
- 「壜の口をポンと抜いたら」(出典:真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉一一)
- ② 鉄砲を発射する音、花火を打ち上げる音、放屁の音などを表わす語。
- [初出の実例]「大き成屁(へ)を一つぽんとこきたり」(出典:咄本・軽口露がはなし(1691)一)
- ③ 勢いよく投げ出したり飛び出したりするさま、また、惜しげなく金や物をさし出すさまを表わす語。
- [初出の実例]「金一分ポンと飛出した」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)二)
- ④ 物をたたく軽い音、また、軽くたたくさまを表わす語。
- [初出の実例]「三猴がせなかをぽんといはして」(出典:洒落本・郭中掃除雑編(1777))
- ⑤ 瞬間的に応じるさまを表わす語。
- [初出の実例]「両方でポンと呼吸(いき)が合って」(出典:落語・つよがり(1890)〈三代目三遊亭円遊〉)
- ⑥ ⇒ぽんと
ポン【
】
- 〘 名詞 〙 ( 中国語から ) マージャンで、手の中に同じ牌が二個あり、それと同じ牌が捨てられたとき、その牌を明刻にすること。また、そのときの宣言。→チー(吃)。
- [初出の実例]「『僕ん所が
(ポン)だがな』さう云って恵吉は筒子(トンツ)の六を二つ開いた」(出典:望郷(1925)〈池谷信三郎〉緩徐調)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内のぽんの言及
【山窩】より
…日本の山間部を生活の基盤とした,漂泊性の強い少数集団であったが,第2次大戦あたりを境にして不明となった。サンカは散家,山稼,山家などとも書かれてきたが,民間ではポン,ノアイ,オゲ,ヤマモンなどと呼んでおり,とくに平地の住民からは異端的に見られていた。その生活の実体は十分につかめてはいないが,現在までによるべき民俗学的研究は,柳田国男《“イタカ”及び“サンカ”》(《人類学雑誌》第27巻第6号,第8号,第28巻第2号。…
【祝祭日】より
…フランスでは日曜と祭日の間が1日あくと雇主と交渉して間の日を休みにすることも行われる。これをポン(橋)という。【松原 秀一】
[イギリス]
イギリスでは国民の祝祭日を銀行休業日bank holidayと呼びならわしている。…
※「ぽん」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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