改訂新版 世界大百科事典 「マッカリゴーサーラ」の意味・わかりやすい解説
マッカリ・ゴーサーラ
Makkhali Gosāla
古代インドの自由思想家(仏教の側でいう〈六師外道〉)の一人。前5世紀ころ,仏教興起当時のガンガー(ガンジス)川中流域で活躍した。生没年不詳。漢訳仏典では末伽梨瞿舎梨と音訳される。苦行主義のアージービカ教徒の論者で,ジャイナ教のマハービーラといっしょに修行したとされる。彼によれば,生けるものは霊魂,地,水,火,風,虚空,得,失,苦,楽,生,死という12の要素を実体としている。そして,自己の意志によることなく,また互いにいっさい影響しあうことなく,初めに決定されたとおりに,840万大劫という測り知れない期間輪廻しつづけて,〈巻糸が投げられると,解きほぐされて糸が尽きてしまうように〉(《沙門果経》),苦しみの終滅に向かうと説いたとされている。
執筆者:高橋 明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報