日本大百科全書(ニッポニカ) 「マレルバ」の意味・わかりやすい解説
マレルバ
まれるば
Luigi Malerba
(1927―2008)
イタリアの作家。長く農業に携わる。映画、テレビの脚本を書きながら1963年に短編集『アルファベットの発見』でデビュー。次作の『蛇』(1966)以後、『とんぼ返り』(1968。1970年度メディシス賞)、『皇帝の薔薇(ばら)』(1974)を経て『夢見る人の日記』(1981)、『銀の頭』(1988)、『ギリシア火薬』(1990)まで、苦笑を誘うナンセンスと諧謔(かいぎゃく)に満ち満ちた、前衛的な小説世界を展開し、イタリア現代文学を牽引(けんいん)し続けた。児童文学の分野でも、「ミッレモスケ」シリーズなど奇妙な味の秀作が多い。
[古賀弘人]
『千種堅訳『皇帝のバラ』(1976・出帆社)』