最新 地学事典 「マントル表面波」の解説
マントルひょうめんは
マントル表面波
mantle surface wave
マントルの深い部分にまで擾乱が及ぶような長周期の表面波(マントルレーリー波・マントルラブ波)を,漠然とマントル表面波と呼ぶ。1940年代までは観測される表面波の周期は長くても数十秒,波長200~300kmどまりで,マントルの下部ではほとんど擾乱は存在しなかった。50年代に入り,H.Benioff・M.Ewing・F.Pressらの観測により周期数百秒に及ぶ波が見いだされ,その波長は1,000kmを超え,表面波とはいってもマントルの全域に擾乱が及ぶので,Ewingらによってこの名称が用いられた。マントル全体の性状(速度および密度分布)はこうした長い波の分散に影響する。80年代になって,世界中に展開された長周期地震計の良質なデジタル記録が解析可能になり,分散曲線の地域性が精力的に調べられた。J.H.Woodhouse et al.(1984)は,マントル表面波の波形記録を用いて,上部マントルの長波長(約1,000km)の三次元モデルを求めた。
執筆者:佐藤 泰夫・川勝 均
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

