ミルキング

化学辞典 第2版 「ミルキング」の解説

ミルキング
ミルキング
milking

比較的長寿命放射性親核種から,その崩壊で生じた放射性の娘核種を,適当な時間ごとに繰り返し除去分離する操作.娘核種をいったん全部分離しても,親核種からふたたび崩壊によって新しい娘核種が補給蓄積される.乳牛からの搾乳になぞらえた用語.実用上は親核種の半減期が娘核種の半減期よりも長いものが利用され,90Sr より 90Y の分離,99Mo より 99mTc の分離などはその例である.ある試薬を流せば娘核種がミルキングされるセットをミルキングカウ(milking cow)という.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミルキング」の意味・わかりやすい解説

ミルキング
milking

寿命の長い放射性の親核から崩壊の結果生ずる寿命の短い娘核を繰り返し得る方法。親核を含有する物質を保存すると,常に娘核がその中に生成されてくる。親核と娘核とは元素種類が異なるから化学的性質の違いを利用しイオン交換樹脂などを用いて分離,娘核を採取することができる。乳牛からの搾乳になぞらえてミルキングという。医薬品としてしばしば用いられるテクネシウム 99はモリブデン 99のミルキングで得られる。

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世界大百科事典(旧版)内のミルキングの言及

【放射平衡】より

… 放射平衡において親核種から娘核種を分離し,これを放置すれば再び一定量の娘核種が生成するので,繰返し娘核種の分離を行うことができる。この方法を,牛から牛乳をしぼることとの類似からミルキングと呼ぶ。 放射平衡は,その状態にある一方の核種の放射測定から他方の存在量を知ることができるので,しばしば分析に利用される。…

※「ミルキング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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