改訂新版 世界大百科事典 「ミンダウガス」の意味・わかりやすい解説
ミンダウガス
Mindaugas
生没年:?-1263
リトアニア大公。在位1236ころ-63年。諸公が分立していたリトアニアを初めて統一して,北および南西からのドイツ騎士修道会の進出を防御し,リトアニア大公国をつくった。ドイツ騎士修道会の一派であるリボニア騎士団を北方に討つ一方,国土の保全を図るため,一時的にキリスト教に改宗し,ローマ教皇インノケンティウス5世からリトアニア王の称号を得た。ミンダウガスはリトアニア史上の唯一の王となったが,その代償としてリトアニア西部,いわゆるジェマイチア地方の一部を騎士修道会に割譲せねばならなかった。しかし,一方ではタタールを討ち,西方ロシアの地に領土を広げた。彼の偉勲は13世紀ドイツ語で書かれた《リボニア押韻詩年代記》などに詳しい。
執筆者:村田 郁夫
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