化学辞典 第2版 「ムラミン酸」の解説
ムラミン酸
ムラミンサン
muramic acid
2-amino-3-O-(1R-carboxyethyl)-2-deoxy-D-glucose.C9H17NO7(251.24).D-グルコサミンの3位のヒドロキシ基とD-乳酸のそれとの間で脱水し,エーテル結合したもの.細菌の細胞壁多糖の加水分解で得られるが,合成もされている.水和物は融点152~154 ℃.+109°(水).水に可溶,アルコール類に不溶.N-アセチル誘導体はN-アセチル-D-グルコサミンとともに細菌の細胞壁のペプチドグリカンを構成し,そのカルボキシル基は,D-グルタミン酸,D-アラニンなどの特異なアミノ酸とペプチド結合している.リゾチームはムラミン酸のグリコシド結合を加水分解し,そのため,水に不溶の細胞壁は溶解する.[CAS 1114-41-6]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報